みなさんこんにちは。
萱嶋です。
桜も散ってしまい、少し寂しい気持ちもありますが
日に日に温かくなり、過ごしやすい気候となりました。
さて、ポリープにつきまして
前回は、「胃ポリープ」についてのお話でした。
今回は「大腸ポリープ」についてお話させていただきます。
大腸ポリープは胃のポリープと異なり、ほとんどが治療対象です。
大腸にできるポリープは胃にできるポリープとは逆にほとんどが腫瘍性のものです。
① 大腸腺腫
大腸の「腺腫」は徐々に悪性の腫瘍、つまり「癌」になるという説があり(専門的にはadenoma-carcinoma sequenceといいます)、大きくなるにつれ「腺腫」の成分が「癌」に置き換わるといわれています。
また、小さくても「癌」の成分を含むもの、最初から「癌」として発生するものもあります(専門的にはde novo癌といいます)。
大腸のポリープのほとんどが治療の対象で、「腺腫」は内視鏡で切除可能です。
大腸癌の大半は、この腺腫から発生すると考えられています。
ポリープ状の腺腫が症状を引き起こすことは稀です。
症状が無くとも行った大腸内視鏡検査において、この腺腫を発見し、それらを切除することによって、将来の大腸癌の発生や大腸がんによる死亡を大幅に減らすことができると報告されています。
したがって、大腸内視鏡検査において腺腫を切除することは、患者さんのメリットになると考えられます。
② SSL (sessile serrated lesion)
組織学的に鋸歯状(ギザギザ状)変化を示すことから、鋸歯状病変の一部に分類されます。
近年、大腸癌の原因として注目されており、SSLも腺腫と同じように、自分で勝手に大きくなって、大腸癌になると考えられています。
実際には大腸癌になるリスクが腺腫と同じ程度かどうかわかっていませんが、切除することにより大腸癌を予防できる可能性があります。
③ 過形成性ポリープ(hyperplastic polyp ; HP)
鋸歯状病変の一部に分類され、SSLと非常に似ている病変です。
S状結腸や直腸にみられることが多いです。内視鏡では白色調の平たいあるいは扁平なポリープして認識されます。
腫瘍様病変とされ、前記ポリープと比較し、頻度は低いですが一部は大腸癌になると考えられています。
★まとめ★
大腸ポリープは胃ポリープと異なり
ほとんどが腫瘍性のものです。
大腸ポリープは、ほとんどが治療対象となります。