福岡天神内視鏡クリニックブログ

酪酸菌の機能についておさらいします。

おはようございます。医師の秋山です。

 

ちょっと前から、腸内細菌の善玉菌の1種である酪酸菌が非常に注目されています。

私がYouTubeに上げている酪酸菌の解説動画も閲覧数が80万回に達する勢いです。酪酸菌解説の動画は以下URLから閲覧できます。

https://www.youtube.com/watch?v=9EDARswb8vk&t=5s

 

酪酸菌のサプリメントである「強ミヤリサン錠」も売り切れ続出とのことで、増産しても追いつかないくらい売れているようです。皆さんがそれだけ酪酸菌に興味を持たれているということだと思います。

 

さて、そんな酪酸菌ですが、改めてどんな効能があるのかをまとめます。

 

酪酸菌とは腸内細菌の善玉菌の1種です。善玉菌の中で唯一「酪酸」という短鎖脂肪酸を産生します。

それではこの「酪酸」は体にどのような働きがあるのでしょうか?

①腸のぜん動運動のエネルギーになる。

→腸のぜん動運動のエネルギーの7割を「酪酸」が担っています。

②腸の粘膜上皮細胞の栄養になる。

→これにより、粘膜上皮細胞の働き(栄養の吸収)が活性化されます。

③腸の粘膜免疫の活性化。

→これにより、粘膜からの異物の侵入を防ぎます。

④IgA抗体を増やす。

→粘膜免疫には欠かせない抗体です。これによりさらに粘膜免疫が増強されます。

⑤制御性T細胞を活性化。

→免疫力を調節する制御性T細胞を活性化することにより、強すぎず、弱すぎずのちょうど良い免疫力を保ちます。

⑥大腸がんの予防

⑦糖尿病の予防

⑧うつ病の予防

 

ざっとこんな感じです。素晴らしい効能ばかりですね。

 

それでは、酪酸菌はどのようにして増やせば良いのでしょうか?

上述した「強ミヤリサン錠」のようなサプリメントを飲むのも1つの手ですが、一番効率が良いのは、自前の酪酸菌を育てることです。

 

日本人は伝統的に、他の人種に比べると「酪酸菌」が多いと言われています。これははるか昔から発酵食品を食べていたからではないかと言われています。

 

酪酸菌は基本的に食物繊維を好みますが、その中でも好物は以下となっています。

玄米、もち麦などの穀物類

海苔、わかめなどの海藻類

特に、玄米と海苔は大好物のようです。なんか昔の日本人が食べていた和食を思い浮かべてしまいますよね。

いかがでしょうか。玄米と海苔を食べて、自前の酪酸菌を増やしてあげましょう!

以上、酪酸菌の話でした。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。