福岡天神内視鏡クリニックブログ

血便になる病気

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

もうすぐゴールデンウイークですね。

今年は9連休の方もいらっしゃるみたいです。

コロナ感染者数も微増ですが、落ち着いており、観光地は大賑わいしそうです。

 

さて、前回は、「痔」についてお話しました。

 

前回に関連し、今回のテーマは、「血便」についてです。

実は、「血便」を引き起こす病気は、「がん」だけではありません。

「血便」には、様々な原因があるのです。

皆さんは、「血便」の原因となる病気を知っていますか。

 

 

まず、消化器官からの出血には、「下血」「血便」があります。

「下血」は、黒い炭のような便で主に胃や十二指腸からの出血です。

「血便」は、鮮血から赤黒い便で主に大腸や肛門からの出血です。

 

今回は、血便の原因についてお話ししたいと思います。

 

イギリスの文献による

血便の原因頻度ですが、

 

第6位は、「感染性大腸炎」です。

いわゆる食中毒で、腸に炎症が起こることでじわじわ出血します。

下痢症状を伴いますが、通常1週間程度で治ります。

 

第5位は「炎症性腸疾患」です。

「クローン病」「潰瘍性大腸炎」という自己免疫の病気です。

腸の炎症で潰瘍などができ、じわじわ出血します。

感染性腸炎との違いは、長期間、軟便や下痢が続く点です。

 

第4位は「大腸ポリープ」「大腸がん」です。

腫瘍の表面はもろく出血しやすいので、じわじわ出血が継続します。

「がん」が大きくなると、ひどい便秘や貧血になることがあります。

 

第3位は「痔」です。

肛門部からの出血で、鮮血でさらさらした出血が特徴です。

排便後の出血やティッシュに血が付いたなどの症状があります。

軽度の痔の場合は、出血は一時的なものです。

日常診療では、第3位以上に多い気がしています。

 

第2位は「虚血性腸炎」です。

腸を栄養する血管の流れが、一時的に悪くなることで起こります。

じわじわした出血です。

おなかの左側や左の下部の大腸に炎症が多くみられ、同部の激しい痛みの後に下痢、血便が出現します。

 

第1位は「憩室出血」です。

大腸のくぼみのような部分に血管が露出し、激しく出血します。

暗赤色から鮮血の血液の塊が排便され、大量に出血します。

しばしば、貧血となり輸血が必要なこともあります。

緊急性が高いので、すぐに輸血ができる総合病院を受診してください。

 

まとめ

血便をきたす病気は様々です。

できる限り、早く医療機関を受診し、診断・治療してもらいましょう。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。