福岡天神内視鏡クリニックブログ

下痢について➀

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

梅雨真っただ中ですが、今のところあまり雨はひどくないですね。

ですが、湿度が高くジメジメした気候は例年通りで、すっきりした気分になれません。

 

今回のテーマは、「下痢」についてです。

 

 

「下痢」になったことがない。

という方はほぼいないと思います。

「下痢」は、人のQOLを著しく低下させます。

早く治したいですよね。

 

「下痢」について概説したいと思います。

 

「下痢」とは

下痢とは、便の中の水分が過剰になった状態です。下痢が続くと脱水や栄養障害が起きます。

 

下痢の持続期間により

14日以内であるものを『急性下痢』

15日以上を『遷延性下痢』

30日を超えるものを『慢性下痢』

に分類されます.

 

『急性下痢』

細菌やウイルスなどによっておこる急性の大腸の炎症(感染性下痢)、食べ過ぎや水・アルコール の飲み過ぎ、消化不良性(非感染性下痢)が原因となります。

ほとんどが自然に治癒を期待できます。

 

『慢性下痢』

慢性下痢は消化吸収障害、腸の慢性炎症、大腸粘膜の過敏、アレルギー性下痢などたくさんの原因があります。

適切に診断・治療しないと、症状が改善しないことが多いです。

 

「下痢」の原因

 

①「浸透圧性下痢」

食べた物の浸透圧が高いと水分が吸収されないまま排便されるため下痢になります。

牛乳を飲むと下痢をする体質(乳糖不耐症)、食べ過ぎによる消化不良やアルコール飲料の刺激で起こる下痢などです。

 

②「分泌性下痢」

口から腸に入った細菌による毒素やホルモンの影響で、腸液の分泌が多くなり下痢となります。細菌性やウイルス性、寄生虫などによる胃腸炎があてはまります。

 

③「蠕動運動性下痢」

胃腸の動きが活発化しすぎると、食べた物が口から短時間で腸を移動してしまい、水分の吸収が不十分になって下痢になります。

内視鏡検査などで異常がみつからないにもかかわらず慢性の下痢と便秘を繰り返し、通勤通学時や緊張する場面で突然腹痛がしてトイレへ行きたくなる、過敏性腸症候群があてはまります。

 

④「滲出性下痢」

炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など)で腸に炎症があると、血液成分や細胞液が出て下痢になります。

また腸の炎症のため水分吸収が低下することで下痢になります。

 

⑤ 薬の副作用による下痢

抗生剤の乱用や抗がん剤などの副作用で下痢になることもあります。

 

「下痢」、特に長く続く症状で困っている皆さんは、検査を受けて適切に診断・治療してもらいましょう。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。