福岡天神内視鏡クリニックブログ

下痢について②

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

梅雨真っただ中ですが、先週は晴れ続きでした。

豪雨が来なければよいですね。

 

 

今回のテーマも引き続き、「下痢」です。

「下痢の治療」についてお話しします。

 

下痢の治療法

下痢は、その症状がどのような原因で起こっているかを見極めることがとても重要です。

神経性の下痢などの場合には、腸の異常な蠕動運動を正常にすればよいのですが、ウイルスや食中毒などの細菌などによるものであると、下痢によって菌を排出しているので無理に薬などで止めてしまうと熱が出たり病気がひどくなったりしてしまいます。

 

・治療の基本

無理に下痢をとめずに脱水症状にならないよう、温かい飲み物を少しずつ補給し、消化の良い物を食べることです。

 

・水分補給によい飲み物

下痢の時には、体内の水分と電解質が失われ、脱水症状になりますので、それらの補給が必要です。

刺激物を避けて温かいもの(味噌汁、りんごジュース、ハーブティ、番茶、ほうじ茶)が基本です。

番茶やほうじ茶は比較的カフェインが少なく、りんごには整腸作用があります。

下痢や嘔吐、発熱などによって急激に水分が失われている状態では飲み物に気をつける必要があります。

飲み物によって水分や塩分の体内への吸収率が異なるためです。

身近なところではスポーツドリンクが適しています。

スポーツドリンクには、アイソトニック飲料と、ハイポトニック飲料という種類があり、浸透圧の関係でハイポトニック飲料の方が胃腸への吸収率が優れています。

アイソトニック飲料でも水で2倍程度に薄めればハイポトニック飲料と同じような吸収率を得ることができます。

 

・下痢のときに良い食べ物

刺激物や脂質が少ないおかゆ、よく煮込んだうどん、豆腐、半熟卵、白身魚、鶏ささみなどの消化がよい食べ物を食べると良いでしょう。

また、たんぱく質は腸で吸収される際、便を固くする作用があります。

 

・下痢のときに避けたい食品

下痢の際に消化の良くない食べ物や腸を刺激する食べ物など、下痢を悪化させてしまう食品も多く存在します。

海藻類、キノコ類、豆類、根菜、オクラなど不溶性の食物繊維、コーヒーやカレーなど刺激のある飲食物、かぼちゃ、栗、炭酸飲料などの腸内で発酵しやすいもの、冷たいもの、レモン、みかん、グレープフルーツなどクエン酸を含む柑橘系の果物、脂肪の多い肉類は腸に負担がかかるため、避けたほうがよいでしょう。

下痢がおさまった後も消化の良い重湯やおかゆなどの流動食から始めるようにし、数日間は腸内細菌が整っていないため、油の多いもの、香辛料の強いもの、アルコールは避けるようにしましょう。

 

下痢が続くときや、発熱または腹痛があるとき、便に血が混じるとき、便秘と下痢を繰り返す場合は、早めに受診してください。

癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。