福岡天神内視鏡クリニックブログ

50歳未満の方必見!お酒をどれくらい飲むと大腸がんになるの?

おはようございます。医師の秋山です。

 

「お酒は元来、美味しくない飲み物です。それをいかに美味しく飲ませるかが腕の見せ所です。」

これは以前、私がバーで飲んでいた時に店長さんが教えてくれた言葉です。素敵な言葉ですよね。

 

さて、今回はお酒の話をします。

お酒を飲むのが好きな方多いのではないでしょうか。私もお酒を飲むのは好きです。ですが、基本的に週末だけ飲むようにしています。

「でもお酒ってどれくらいまでなら飲んでもいいんだろ?」

そう思っている方も多いのではないかと思います。

 

最近の論文で、飲酒量と大腸がんの関係についての論文がありましたので概要を解説したいと思います。

 

韓国でリサーチされた論文です。1日の飲酒量と、50歳未満の若年生大腸がんの関係を調べてます。

(Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology. 2023 Jun 14)

 

1日の飲酒量から、20歳〜49歳の566万6,576名を以下の4グループに分けてます。

 

非飲酒者:男性0g、女性0g

軽度飲酒者:男性10g未満、女性10g未満

中程度飲酒者:男性10~30g、女性10~20g

多量飲酒者:男性30g以上、女性20g以上

(アルコール20gの目安:ビール500mL、ワイン200mL、日本酒1合、焼酎100mL)

それぞれのグループの大腸がんとの関連を調べてました。

 

結果をすごく簡単に解説すると、

①中程度飲酒者と多量飲酒者は、軽度飲酒者と比較して早期大腸がんのリスクが高い。

②飲酒頻度と早期大腸がんリスクの関係は、非飲酒者と比較して1~2日/週の飲酒頻度で7%、3~4日/週の飲酒頻度で14%、5日/週以上の飲酒頻度で27%リスクが増加。

という結果でした。

 

論文の結果から、1日10g以上のアルコール摂取をすると、大腸がんのリスクは高くなることになります。

缶ビール1本(350ml)がアルコール17g程度ですので、毎日晩酌で1日1本のビールを飲むだけで大腸がんのリスクが上がることになりますね。

 

また、アルコールを週1~2日飲んでも7%程度の大腸がんのリスクが上がるのは驚きです。私は土日にビールを1日2本程度飲みますので、私も7%程度の大腸がんのリスクが上がっていることになります。

 

私見ですが、毎日たくさんの大腸カメラ検査をしている経験から話をすると、

アルコールをほぼ毎日飲む患者さんは、大腸カメラ検査を行うと大腸ポリープがよくできてます。これは、1日の飲酒量に関わらずです。この大腸ポリープが成長して大腸がんになります。

個人的には、週3日以上はお酒を飲まない日を作ると良いのではないかと思います。

 

ちなみに、私は土日に缶ビールを合計で4本程度飲んでいますが、今まで私の大腸にポリープができたことはないです。

 

適度な飲酒量で、毎日飲酒しなければ過度に恐れることはありません。

 

いかがでしょうか?

50歳未満の方は、お酒はほどほどに飲み、そして定期的に大腸カメラ検査を受けましょう!そうすれば必ず大腸がんは予防できます。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。