福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘のこと④

みなさん、こんにちは

萱嶋です。

 

梅雨が明けましたが、今度は災害級の暑さが続いています。

検査や診察にいらっしゃる皆さん、熱中症にならないよう気を付けてください。

こまめな水分補給や、日中の外出時は日傘を使用するのもよいかもしれません。

 

今回も便秘について、引き続き概説いたします。

便秘の治療の続きです。

 

 

⑤刺激性下剤

アントラキノン系(センノシドやアロエ)、ジフェニール系(ビサコジル、ピコスルファートナトリウム)があります。

大腸の筋層間神経叢に作用して高振幅大腸収縮波を促進し、腸管からの水分吸収を抑制、便排出を促します。

以前お話しした通り、

アントラキノン系大腸刺激性下剤を長期間内服することにより、大腸が黒色調に変化し、大腸偽メラノーシスという状態となります。

このメラノーシスの変化は、原因にあたる薬の服用を中止することで改善します。

大腸にメラノーシスが生じても重篤な症状を呈することはありませんが、下剤による筋層間神経叢のダメージにより腸の機能が低下することがあります。

短期間の服用は問題ないと思われますが、長期間の服用は注意が必要です。

 

⑥上皮機能変容薬

ルビプロストン(アミティーザ)、リナクロチド(リンゼス)が、あります。

ルビプロストンは、小腸の水分分泌を促進することにより、便を軟らかくして腸管内の便輸送を高めて排便を促進します。

副作用として、悪心・下痢があります。

リナクロチドは、腸管内の水分分泌を促して便を軟らかくし、便の移動をスムーズにして排便を促します。

また、この薬のもう一つの特徴として、痛みに過敏になっている神経線維の伝達を抑え、腹痛や腹部不快感を改善します。

便秘型過敏性腸症候群の薬としても用いられます。

副作用として、下痢があります。

 

引き続き、便秘の治療について概説しました。

次回も便秘の治療、特に漢方薬についてお話します。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。