みなさん、こんにちは
萱嶋です。
梅雨が明けましたが、今度は災害級の暑さが続いています。
検査や診察にいらっしゃる皆さん、熱中症にならないよう気を付けてください。
こまめな水分補給や、日中の外出時は日傘を使用するのもよいかもしれません。
今回も便秘について、引き続き概説いたします。
便秘の治療の続きです。
⑤刺激性下剤
アントラキノン系(センノシドやアロエ)、ジフェニール系(ビサコジル、ピコスルファートナトリウム)があります。
大腸の筋層間神経叢に作用して高振幅大腸収縮波を促進し、腸管からの水分吸収を抑制、便排出を促します。
以前お話しした通り、
アントラキノン系大腸刺激性下剤を長期間内服することにより、大腸が黒色調に変化し、大腸偽メラノーシスという状態となります。
このメラノーシスの変化は、原因にあたる薬の服用を中止することで改善します。
大腸にメラノーシスが生じても重篤な症状を呈することはありませんが、下剤による筋層間神経叢のダメージにより腸の機能が低下することがあります。
短期間の服用は問題ないと思われますが、長期間の服用は注意が必要です。
⑥上皮機能変容薬
ルビプロストン(アミティーザ)、リナクロチド(リンゼス)が、あります。
ルビプロストンは、小腸の水分分泌を促進することにより、便を軟らかくして腸管内の便輸送を高めて排便を促進します。
副作用として、悪心・下痢があります。
リナクロチドは、腸管内の水分分泌を促して便を軟らかくし、便の移動をスムーズにして排便を促します。
また、この薬のもう一つの特徴として、痛みに過敏になっている神経線維の伝達を抑え、腹痛や腹部不快感を改善します。
便秘型過敏性腸症候群の薬としても用いられます。
副作用として、下痢があります。
引き続き、便秘の治療について概説しました。
次回も便秘の治療、特に漢方薬についてお話します。