おはようございます。医師の秋山です。
「いつまでも健康で長生きしたい」
そう思ったことありませんか?私はいつも思っています。
それではどうすれば長生きできるのでしょうか?
私は「腸内細菌」が鍵を握っていると思っています。
今年発表された論文ですが、100歳以上生きている方の腸内細菌を調べたところ、「腸内細菌の多様性」が非常に高いという結果が出てました。
(Nature microbiology. 2023 Jun;8(6);1064-1078.)
ここで「腸内細菌の多様性」について解説します。
「腸内細菌の多様性」とは、「腸の中で、沢山の種類の腸内細菌がお互いに助け合いながら生きている」という意味です。
腸内細菌は様々な働きがありますが、菌によって得意分野があります。
短鎖脂肪酸を作るのが得意な菌、免疫力を上げるのが得意な菌、下痢や便秘などを治すのが得意な菌、ビタミンを作るのが得意な菌、などです。
当然なんですが、この「腸内細菌の多様性」が高い方が、腸内環境は良くなるんですよね。
また、100歳以上の長寿の方は、腸内細菌の中でも、「酪酸菌」の割合が非常に多いという研究報告もあります。
(Naito Y, et al. J Clin Biochem Nutr. 2019 Sep; 65(2):125–131.)
なるほど。つまり、腸内細菌の多様性を高め、さらに腸内の酪酸菌を増やせば、長寿になれるということになります。
それでは、どのようにしたらそんなことができるんでしょう?
腸内細菌を決めるのは、私達の普段の生活習慣です。もっと言えば、普段から食べてるもので決まってきます。
その中でも私は「ビタミンD」を意識して摂ると良いのではないかと考えています。
実は、ビタミンDを摂取してビタミンDの血中濃度を上げると、腸内細菌の多様性が高くなるのですが、この中でも酪酸菌が優位に増えるという報告があります。
(Nature communications. 2020 11 26;11(1);5997))
食べ物でビタミンDを摂取するのはなかなか厳しいので、サプリメントでビタミンDを摂取するようにしましょう。そして健康で楽しい人生を過ごせたら最高ですね。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。