福岡天神内視鏡クリニックブログ

下痢の時には何を飲む?➀

みなさん、こんにちは

萱嶋です。

 

9月になりましたが、まだまだ暑い日が続きます。

年々夏が長くなっている気がします。

8月、9月は食あたり・感染性腸炎が多くなります。

特に暑い時期に腸炎で下痢が続くと脱水症をおこすことがあります。

下痢の時にどのようなものを飲むのが一番良いか、皆さんご存知でしょうか。

 

今回は「下痢の時に飲むべきもの」を詳しく紹介していきます。

具体的にはスポーツドリンクと経口補水液についてお話しします。

 

 

下痢の時には、体内の水分と電解質が失われ、脱水状態になりますので、それらの補給が必要です。

下痢の症状が軽く、水分の排泄も急激でない場合は、とりあえず水分であれば自分の好きなものを飲んで構いませんが、下痢や嘔吐、発熱などによって急激に水分が失われている状態では飲み物に気をつける必要があります。

飲み物によって水分や塩分の体内への吸収率が異なるためです。

体内への吸収率を高めるためには

➀浸透圧

②ナトリウムとブドウ糖のバランス

がポイントです。

 

スポーツドリンクには、アイソトニック飲料と、ハイポトニック飲料という種類があり、浸透圧の関係でハイポトニック飲料の方が胃腸への吸収率が優れています。

また、経口補水液と呼ばれるものは、ハイポトニック飲料にあたります。

 

アイソトニック飲料は等張液

ハイポトニック飲料は低張液

です。

「浸透圧」の違いによって区別されます。

「浸透圧」とは例えば、濃度の異なる水を半透膜で隔てると、水は半透膜を自由に移動しますが電解質は通さないため、濃度の低い方から濃度の高い方に水が移動します。

この水を引っ張る力浸透圧といいます。

体液の浸透圧は「280-290mOsm/L 」に保持されています。

ヒトの細胞は、0.9%の食塩水(生理食塩水)と浸透圧が等しく、これを等張液といいます。

それよりも濃度が低い溶液はと細胞より浸透圧が低い低張液といい、反対に濃度が高い溶液は浸透圧が高い高張液といいます。

 

低張液であるハイポトニック飲料を飲むと、等張である体内に水が引っ張られるため、水分吸収率が高くなります。

アイソトニック飲料よりハイポトニック飲料の方が、体内への水分吸収率が高いのです。

 

次回は、②ナトリウムとブドウ糖のバランス

についてお話しします。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。