福岡天神内視鏡クリニックブログ

食欲に関するホルモン「グレリン」と「レプチン」について

おはようございます。医師の秋山です。

 

季節は秋ですね。私が一番好きな季節です。

秋といえば「食欲の秋」と思っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、食欲に関するホルモンである「グレリン」と「レプチン」について解説したいと思います。

 

簡単に説明すると、食欲を増進させるホルモンが「グレリン」、食欲を抑制するホルモンが「レプチン」です。

他にも食欲に関係するホルモンはありますが、主にこの2つがシーソーのようにバランスをとりながら食欲をコントロールしています。

 

さらに具体的に説明していくと

 

「グレリン」

→胃から分泌されるホルモンです。空腹時に分泌されたあと、脳の視床下部の食欲中枢が刺激されて食欲が増します。

余談ですが、自分が好きな食べ物を目にした時もグレリンが分泌されます。

「お腹いっぱいだけど、デザートは別腹だよ」

という経験ありませんか?これはお腹いっぱいでも胃からグレリンが分泌されるからです。

 

「レプチン」

→体の脂肪細胞から分泌されるホルモンです。食後に分泌されたあと、脳の視床下部の満腹中枢が刺激されて満腹感を感じます。

このホルモンは体脂肪の量と比例しており、体脂肪が多いほど「レプチン」が分泌されます。

 

いかがでしょうか。

ここで疑問点が一つ出てきます。

 

肥満体型の人は体脂肪が多いはずだから、「レプチン」が沢山分泌されているはずです。それなのになんで食欲が落ちて痩せないんでしょう?

 

これは、視床下部の満腹中枢にある「レプチン」の受容体の反応が鈍くなっているからです。

確かに、「レプチン」は体脂肪の量に比例して増えますが、視床下部の「レプチン」受容体の感受性は、体脂肪に反比例して落ちていきます。

 

つまり、「レプチン」は沢山分泌されますが、受容体が機能しないためになかなか満腹中枢が刺激されないんです。

これにより益々食べてしまう→体脂肪がどんどん増えて太る→さらに受容体の感受性が鈍くなる→益々食べてしまう

 

このような負のスパイラルに陥ってしまいます。

 

解決法としては、まずは体脂肪を落とすことです。

適度な運動をして、体脂肪を落としてあげましょう。そうすればだんだんとレプチンの受容体の感受性が上がってきます。

 

以上、「グレリン」と「レプチン」の話でした。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。