みなさんこんにちは。
萱嶋です。
最近、日に日に寒さが増していると思ったら、
また暖かい日が続きました。
温度調節が難しいですが、体調を崩さないように注意してください。
今回のテーマは、「診療中よくある質問」です。
診療中に患者さんからよくされる質問を回答していきます。
内視鏡検査や診察を受けて疑問に思った方は参考にしてみてください。
1. 便潜血検査で陰性であれば、大腸内視鏡検査は受けなくてよいのですか。
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便潜血陰性であっても、ポリープや癌がないという保証にはなりません。
便潜血陰性の方の20.4%に腫瘍様病変(ポリープやがん)がみられたという報告もあります。
便潜血検査を盲信することなく、大腸内視鏡検査を定期的に行うことが極めて重要です。
2. 萎縮性胃炎と診断されました。どうしたら治りますか。
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萎縮性胃炎は、H. pyloriの感染をはじめとする化学的・物理的刺激によって、粘膜固有層への炎症細胞浸潤が慢性的に起こり、胃酸などの分泌にかかわる固有腺が減少・消失する状態です。
H.pyloriを除菌すると、炎症細胞は消失しますが、固有腺の減少・消失は改善しません。
よって、一度H.pyloriに感染し萎縮性胃炎と診断された方は、萎縮性胃炎と診断され続けてしまいます。
この状態は変わりませんが、悲観することはありません。
除菌により胃がんのリスクはかなり減少しているからです。
大切なのは、H.pylori除菌後に1年毎の上部消化管内視鏡検査を行うことです。
3. H.pyloriを除菌しました。再感染することはありますか。
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H.pyloriは、通常幼少期までに感染します。
H.pylori除菌後の再感染率は、除菌1年後で0.2%という報告があります。
しかし、そのほとんどが除菌不成功例であったと考えられています。
ですから、H.pylori除菌後の再感染は、ほとんどないといってよいと思います。
「診療中よくある質問」を紹介しました。
診察中に聞き忘れた、あれってどうなんだろうという疑問が、この動画の内容にあればうれしいです。
参考にしてください。