おはようございます。医師の秋山です。
今日はクリスマスですね。週末の天神西通りは、歩道が歩けないくらい人で溢れかえっていました。
さて、今回は「認知症」の話をしたいと思います。
まずは認知症のおさらいです。
認知症とは、なんらかの原因で脳に障害をきたし、もともと持っていた知能が低下していく病気です。
日本では、約450万人が認知症を発症していると言われており、2030年には5人に1人が発症すると言われてます。
認知症の中でも、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、この病気は、脳内にアミロイドβという異常なタンパク質が蓄積し、脳細胞が徐々に障害されて症状が出現します。
それでは、なぜ認知症がこんなに増えてきたのでしょうか?
まずは寿命が伸びたことです。加齢により誰でも認知症のリスクは上がります。
ちなみに、女性の方が男性よりも2倍ほど認知症になりやすいと言われていますが、これは女性の方が寿命が長いからというのもありますが、閉経後にエストロゲンが少なくなるからとも言われています。
エストロゲンには、脳神経の伝達機能を活性化したり、脳神経細胞を保護する役目があるんですね。
それではその他にどのような人が認知症になりやすいのでしょうか?
箇条書きにしてみました。
①協調性がない人、イライラしやすい人は認知症になりやすい。
(Terracciano A. et al. Journal of Psychiatric Research. 2017)
このような性格の人は、社会的に孤立しやすく、それにより認知症を発症しやすいと言われています。
②糖尿病の人は認知症になりやすい。
(日老医誌 47: 385-389, 2010)
糖尿病で脳血管に動脈硬化が起こり、酸素や栄養が脳細胞に届かなくなります。これによりアミロイドβが溜まりやすくなり、認知症を引き起こすと言われています。
③睡眠不足の人は認知症になりやすい。
(Sabia S, et al. Nat Commun 12, 2289, 2021)
アミロイドβは睡眠中に脳からお掃除されて脳の外に排出されます。このため、睡眠不足は認知症になりやすいと言われています。具体的に6時間以下の睡眠を続けていると約30%ほど認知症のリスクが高くなります。
いかがでしょうか。当てはまる方いませんか?
以上のような情報を参考にして、認知症を予防していきましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。