福岡天神内視鏡クリニックブログ

急性腹症

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

もうすぐ今年も終わります。

1年はあっという間ですね。

人生は限りあるものです。

少しの時間も無駄にはできませんね。

 

皆さんは、おなかが痛くなった経験はありますか。

経験がない方はあまりいないと思います。

おなかが痛くなった時、どういった基準で病院を受診すべきか迷ったことはありませんか。

果たしてどの様なときに迅速に病院を受診しなければいけないのでしょうか。

本日は、「急性腹症」について、お話しししたいと思います。

 

 

急性腹症とは

発症 1 週間以内の急性発症で、手術などの迅速な対応が必要な腹部(胸部等も含む)疾患です。

急性腹症の明確な定義はなく、急激に発症した腹痛の中で緊急手術を含む迅速な対応を要する腹部疾患群を急性腹症と呼びます。

 

原因疾患

非特異的な腹痛、急性虫垂炎、胆道系疾患(総胆管結石)などが多いです。

非特異的な腹痛は若い女性に多く、高齢者には少ないです。

虫垂炎は若年者、

胆道系疾患は高齢者に多いとされています。

 

高齢者の腹痛の原因疾患
➀急性胆嚢炎、②悪性腫瘍、③イレウス、 ④非特異的な腹痛 、⑤胃十二指腸潰瘍

の順に多いとされています。

 

急性腹症ガイドライン2015における急性腹症の頻度では、

男性

➀腸管感染症11.5%、②急性虫垂炎9.2%、③腸閉塞9.1%、④腹膜炎6.4%、⑤胆石症6.2%。⑥憩室炎4.0%、⑦胃潰瘍4.0%、⑧尿路結石3.0%、⑨胃十二指腸炎2.8%

 

女性
➀腸管感染症11.0%、②腸閉塞8.0%、③子宮/卵巣腫瘍7.9%、④急性虫垂炎7.2%、

⑤子宮/卵巣の炎症6.6%、⑥腹膜炎4.8%、⑦子宮/卵巣の非炎症性4.0%、⑧妊娠関連疾患3.4%、⑨胆石症3.3%

の順でした。

 

さて、どのような症状があるとき病院を受診すべきなのでしょうか。

こういった症状があるときは受診!

を解説していきます。

 

急性の腹痛における危険な徴候としては、

 

激しい腹痛の持続

増悪する腹痛・ショック徴候(血圧低下、頻脈、意識混濁、冷や汗)

腹膜刺激症状(反跳痛、筋性防御、筋硬直)

腹部膨満

などがあります。

腹膜刺激症状とは

反跳痛:患者の腹壁を手で垂直に圧迫し、その手を急に離すと鋭い痛みを感じる症状です。

筋性防御:腹部を触診した際、腹壁の筋肉が緊張して硬くなる内臓体性反射です。

筋硬直:筋肉に刺激が加わった際に生じる”こわばり”のことです。
です。

このような症状がある場合は、CT検査が行うことができる医療施設を受診しましょう。

 

 

まとめ

急性腹症について概説しました。

皆さんの知識の参考になれば幸いです。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。