福岡天神内視鏡クリニックブログ

50歳未満の高血圧の方は大腸がんに要注意!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は、高血圧と大腸がんの関係について説明します。

高血圧は現在、治療している方、していない方を含め4,000万人以上いると言われており、実に日本人の3人に1人が高血圧という状況です。

 

それでは、高血圧の原因ってなんでしょうか?

大きく3つあります。

 

①血管が硬くなる(動脈硬化)

②肥満

③心肺機能が低下する

 

動脈硬化と肥満はなんとなく分かりますよね。でもなんで心肺機能が低下すると高血圧になるのでしょうか。

それは、心肺機能が低下すると肺活量が低下し、全身に血液を送る力が低下するからです。血圧が上昇することで、なんとか全身に血液を送ろうとしてるんですね。

 

実際、高血圧の治療で重要なのは、食事療法よりも運動療法と言われています。

重要度としては食事療法:運動療法=2:8です。

高血圧の方はぜひ定期的な運動を行いましょう。

 

さて、先日、興味深い論文が出たので紹介します。

 

日本人のデータでなんですが、高血圧と、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんによる死亡リスクに関連があるかという調査を行ったところ、

30歳〜49歳の高血圧は、後々大腸がんで死亡するリスクが高くなるというデータが出てました(Hisamatsu T,et al. Hypertension Research,2024 Jan;47(1);206-214)。

 

高血圧と大腸がんの関係は以前から指摘されており、どちらも内臓脂肪が原因で発症すると言われていましたが、死亡リスク因子については言われてませんでした。

今回の論文は、日本人8,088人を対象にした大きな前向き研究ですので、データとしては信頼できるのではないかと思います。

 

30代、40代の高血圧の方は、将来大腸がんに罹患してしまわないように、普段から運動をしたり、定期的に大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。