おはようございます、医師の秋山です。
春になり、検診の季節になりました。
毎年、健康に留意して検診を受けている方、毎日が忙しく検診を受ける時間がない方、様々と思います。
私は、これまで検診を受けていない方には、「まず検診を受けてみる」ことをお勧めしています。
「これまで心配していなかったコレステロールが高くなってきた」「血圧が高いことが判明した」など、新しい気づきがたくさんあることでしょう。
仕事や毎日の家事・育児で忙しい方も多いと思います。そのような方は、
「まず1年の中で、検診を受ける日時を真っ先に予定に組み込んでしまう」
ことをお勧めします。
”健康”あっての仕事・家事育児です。倒れてしまっては志半ばとなり残念ですし、ご家族が悲しみますからね。
毎年検診を受けていくと、”あること”が気になってくる方がいると思います。
「この検診って本当に意味があるのかな?」と。
一般的に行われている多くの検診である、「胃レントゲン検査」「便潜血検査」「胸部レントゲン検査」「腹部エコー」「腫瘍マーカー採血」については、残念ながら”精度の低い”検査であり、がんの見落としの可能性があります。そして、早期がんの発見はまずできません。
”精度の高い”検査、即ち早期がん発見に本当に寄与する検診・検査とは、
「胃カメラ」
「大腸内視鏡検査」
「胸部CT」
「腹部CT」
となります。さらに
脳については 頭部MRI
心臓については、心臓CT・心エコー・心電図
子宮・卵巣については、子宮がん検診に加えて経腟によるエコー
乳がんについてはマンモグラフィーと乳腺エコーの組み合わせ
をお勧めいたします。なお、前立腺がんについては、唯一腫瘍マーカーのPSAが有益です。
意外に思われるかもしれませんが、「自らの健康」は残念ながら一般検診では守ってくれません。
毎年検診を受けているのに、ふと進行がんが発見されることがあります。
進行がんが発見されたとしても、誰も責任は取ってくれません。とても残酷だと思いませんか。
しかし、それが現在の検診医療の現状なのです。
「自らの健康は自らで守る」
これからの時代は、正しい知識のもとに精度の高い検診を選択していくことが非常に重要になるでしょう。
”健康寿命”が大切となってくる時代だからこそ、正しい知識を身につけ検診を選択していくことで、後々に大きな差となって現れてきます。
福岡市中心部で、がん検診を勧めるキャンペーンが開催されていました。
福岡市のたくさんの方々が検診を受けるようになることを、私たちも願っています。