福岡天神内視鏡クリニックブログ

インフルエンザにかかってしまったら(インフルエンザ対策②)

おはようございます。医師の秋山です。

前回「インフルエンザにかからない方法」を書きました。

「方法実践したけど、結局インフルエンザにかかったじゃないか」

「家族や職場でインフルエンザが蔓延している。なんだか悪寒がしてきた。ああ、まずいもう自分もインフルエンザになるんだ・・・」

運悪くウイルスが口内に入り、なおかつ繊毛細胞をくぐり抜けて体内に侵入した場合、「インフルエンザの感染が成立した」ことになります。

今回は、インフルエンザにかかってしまった場合の対策を書きたいと思います。

 

① 麻黄湯

インフルエンザキットが改良され、インフルエンザに感染してから陽性と反応する時間は、だんだん短くなっています。

しかし、インフルエンザと診断されてからお薬を飲んだのでは、1週間くらいの自宅軟禁は免れないでしょう。

家族からのけ者扱いにされて、悲しい思いをするかもしれません。

そもそもインフルエンザの可能性があっても、病院にかかる時間すらない人もいるでしょう。

そのためには、「これはまずいぞ」という自分の感覚がとても大切です。

「関節痛」、「悪寒」や「胃の不快」などのインフルエンザの初期症状に神経を研ぎ澄ませておきましょう。

その時に有効な薬がこの麻黄湯です。

「葛根湯の話」のときと同様ですね。

知ると得する葛根湯の使い方

効能に、「インフルエンザの初期症状」と書いてあります。

「インフルエンザに効く漢方あります」という張り紙をしてある薬局をみかけることがあります。

私ははじめは胡散臭いと思っていたのですが、これが効果てきめんでした。

何か身体がだるくてダウンしそうだな、と思っていた時に職場の先生がこの麻黄湯を差し出しました。

しぶしぶ飲んでみたところ、味はそれほど不味くない。

驚いたのは30分後にカーっと身体が熱くなったあとに、嘘のようにだるさが取れて、元気になったのです。

その後も特にぶり返すことなく診療することができました。

それからの私は、麻黄湯を必ず常備しておくようにしています。

麻黄とは、身体を温めて発汗させてウイルスを撃退する(エフェドリン様)作用がありカンフル剤のような生薬です。

注意点が1つあります。

連用しないことです。

カンフル剤である麻黄湯を何度も使用していると、身体の中の体力がどんどん失われていきます

ドラゴンボールでいう、「身勝手の極意」や「ギャリック砲」でしょうか。

使用はインフルエンザの感染成立前後、ここぞの1~数回が勝負になる漢方です。

 

② インフルエンザの薬

インフルエンザと診断されたら、おとなしく降参してインフルエンザ薬を飲みましょう。

私のおススメは「イナビル」という吸入薬です。

1回の吸入で治療が終了するので、飲み忘れの心配がありません

間違って吹いてしまうと、ドリフの最後のような煙がでます。

最近ではこの吸い間違いや吸入不足を改善すべく、「ゾフルーザ」という内服薬が昨年出てきました。

私はまだ処方したことはありませんが、1回の内服で治療が終了する画期的な薬だと思います。

かかりつけの先生に相談してみてください。

 

③ 紅茶を飲む

これは最新の話題ですが、紅茶がインフルエンザウイルスを無力化する可能性があると報告されています。

感染阻止率99.96%で「十分な効果あり」と言われています。それもたったの10~15秒で、だそうです。

もっとデータが必要かとは思いますが、インフルエンザにかかったら紅茶をぜひ試してみてください。

 

まとめ ~インフルエンザにかかってしまったら

① 麻黄湯を試してみる(短期決戦)

② インフルエンザ薬(1回で終了するものがよいと思います)

③ 紅茶を飲む

 

文章の途中で、「私は結局、インフルエンザにかかってるんじゃないの」というツッコミが入りそうですが、診断はされていませんので・・・。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。