おはようございます。医師の秋山です。
今回はよく質問を受ける
「検診でのコレステロール値の見方、解釈」について書きたいと思います。
善玉コレステロールは、「血管から肝臓に、余っているコレステロールを回収する」働きをしています。
例えると「コレステロールの掃除屋」です。
多ければ、肝臓や心臓を栄養する冠動脈にコレステロールが付着してプラーク化することを防いでくれます。
悪玉コレステロールは、「全身の各組織にコレステロールを運ぶ」働きをしています。
例えると、「コレステロールの運び屋」です。
悪玉コレステロールにも大切な役割があり、全身の細胞膜を形成したり、ホルモンを合成したりしています。
悪玉コレステロールが増えすぎると肝臓で吸収される量を超えてしまい、血管内にプラークを形成します。
すると血液の流れが悪くなり血管が脆くなって、心筋梗塞や脳卒中を起こすのです。
善玉・悪玉と言ったコレステロールの役割は、人間が後から名付けたものです。
「善玉が良くて悪玉が悪い」わけではなく、我々が生きていく上で両方とも不可欠な脂質であると分かります。
その上で、善玉コレステロールが減りすぎる場合と悪玉コレステロールが増えすぎた場合に、脳血管障害や虚血性心疾患の可能性が増大すると考えると良いと思います。
これらの数値は1日3回の規則的な食生活の継続と整腸剤摂取の継続で、ゆっくりと改善していきます。
まとめ
コレステロールの働きについて書きました。
コレステロールの役割について正しく理解して、お薬に頼ることなく生活習慣病を予防しましょう。
大分の久住高原のワイナリーです。
フランス人は多量のワインを飲んでいるのに、脳血管障害や虚血性心疾患が少ないという矛盾「フレンチパラドックス」があります。
その理由は「抗酸化物質であるワインをたくさん摂取しているからではないか」と仮説が立てられています。
最近では、細胞の核の中のDNAの遺伝子に含まれていない98%の部分に、この脳血管障害や虚血性心疾患になりにくい情報が含まれているのではないかともいわれるようになりました。
この「遺伝子に含まれていない残り98%のDNA」により、今後の解析で胃がんや大腸がんなど「がんにかかっていく人とそうでない人との違い」が分かってくるかもしれません。
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