おはようございます。医師の秋山です。
以前、「腸と脳は太いパイプで繋がっており、それを腸脳相関と言います。」と話をしたと思います。このメカニズムについては最近解明されるようになったのですが、おそらくはるか昔から「腸と脳って繋がってるんじゃないの?」と思われていたのではないかと思います。
そこで、お腹に関する慣用句について羅列してみました。
「腹をたてる」・・・怒る
「腹黒い」・・・心に悪だくみがある
「腹を決める」・・・決心する
「腹に落ちる」・・・なるほどと思う
「腹が据わる」・・・度胸がある
など、人間の心や気持ちに関する慣用句が多いのがわかります。
それでは、英語ではどうでしょうか?ここではgut(日本語で内臓のこと)の慣用句を調べてみました。
hate someone’s gut:大嫌い
gut feeling:直感
go with your gut:思った通りに行動しなさい
英語でもやはり人間の心とお腹がつながっているのが分かります。
「すべての病は腸から始まる」
これは古代ギリシャの医師であるヒポクラテスの言葉だそうです。当時は明らかなエビデンス(科学的根拠)はなかったでしょうが、はるか昔の紀元前の時代から、腸と脳は繋がっていると考えられていたのかもしれませんね。
今読んでいる本です。本屋に行くとなぜかトイレで便をしたくなる人がいます(私も経験があります)。このメカニズムについては諸説あるのですが、その1つとして、本に囲まれることで気持ちがリラックスし、副交感神経優位となり、これにより腸管が動き出し、便をしたくなるのではないか、というのがあります。人間の体は奥が深いですね。