福岡天神内視鏡クリニックブログ

大腸カメラ受診年齢の上限の議論について

こんにちは、院長の相馬です。

 

以前週刊誌で、「大腸カメラを受ける年齢の上限」について、話題になったことがありました。

内容は、

あなたの年齢(高齢)になると、がん検診による不利益の方が大きくなります

ということです。

大腸カメラによる「不利益」とは、

「カメラが腸を破る危険や下剤で腸閉塞などを起こす危険」

のことです。

カメラが腸を破る危険は、術者の腕に左右される面が大きいと思いますが、全くの0ではありません(10万件中0.1件程度です)。

アメリカの医学雑誌には、

「あなたはあと生存できる期間が短いから、大腸カメラを受けても意味がないです」

というと高齢者から反発を受けるが、

「不利益の方が多くなります」

というと納得してくれる、と書いてあるようです(消化器がん検診学会雑誌より)。

 

たしかに合併症の可能性が0ではありませんが、上記にようにこの不利益の頻度は決して高いものではないので、私は日本では年齢の上限を決める必要はないと思います。

 

なぜ「日本では」なのかというと、日本ではまだまだ大腸カメラを受ける人が少ないからです。

以前にも書きましたが、アメリカでは60%もの方が大腸カメラを受けています。

そのために、年々大腸がんの死亡者が減少してきています。ほかの先進国でも同様に大腸がん死亡者が減少しています。

先進国の中で日本だけが、大腸がん罹患者・死亡者が増加しています

これはひとえに、「大腸カメラの受診率が低い」からにほかなりません。

日本については、大腸カメラの受診率を上げることが先決だと思います。

大腸カメラの受診率が上がり、大腸がんの死亡者が減ってきたうえで、大腸カメラ年齢の上限を考えていったらよいのではないでしょうか。

 

相馬 渉院長

国立大分大学医学部卒業。
大分大学医学部附属病院消化器内科に入局し、大学病院や関連施設にて数多くの消化器内視鏡検査・治療を経験。日本有数の内視鏡検査数を誇る横浜のたまプラーザ南口胃腸内科クリニックにて「苦しくない無痛内視鏡検査」の技術を習得し、2017年7月より「福岡天神内視鏡クリニック」院長就任。