福岡天神内視鏡クリニックブログ

ポビドンヨードのうがいについて

おはようございます。医師の秋山です。

 

大阪の吉村府知事が「ポビドンヨードを用いたうがいがコロナウイルスに有効である」という趣旨の話をされました。その後からドラッグストアではポビドンヨードのうがい薬が買い占められ、診察の時もポビドンヨードの処方を希望される方がいらっしゃいます。

 

ここで、ポビドンヨードのうがいについて、私の見解を書いておきたいと思います。

 

まず、結論から言うと

「ポビドンヨードのうがいにより、コロナウイルス感染を予防する効果はあるのかもしれないね」程度のゆるいものだと考えています。

ですので、買い占めまでしてポビドンヨードを使う必要はありません。

 

なぜかというと、緑茶、紅茶、水道水、どれでうがいをしても同じことが言えるだろうと思ってるからです。

 

新型コロナウイルスは、口腔内で増殖すると言われており(ここがインフルエンザとの違い)、口腔内を清潔にすることでコロナウイルス感染を予防できるのではないか、と予想されています。

ですが、まだ証明はされていません。

 

そもそも、吉村府知事の発言の情報源は以下によります。

 

「大阪はびきの医療センターの臨床研究で、新型コロナウイルス感染者41名を、①ポビドンヨードで1日4回うがいをする群、と②うがいをしない群、に分けて観察。観察後4日目のコロナPCR陽性率が、①群が9.5%、②群が40.0%との結果と発表した。」

 

この臨床研究の結果で分かるのは、「うがいがコロナ感染に有効なんじゃないか」ということだけです。

 

本当にポビドンヨードのうがいがコロナに効果があるのかどうかを検証するのであれば、

 

  1. 感染者41名は少なく、数百人規模は必要である。
  2. 比較対象を「うがいをしない群」ではなく、「緑茶でうがい」「紅茶でうがい」「水道水でうがい」などと比較する必要がある。

 

これらをクリアして、初めて「ポビドンヨードによるうがいがコロナ感染に効果がある」と言えると思います。

 

ただ、個人的には、大阪はびきの医療センターの臨床研究の着眼点は素晴らしいと思ってます。

 

「コロナにはうがいが有効だろう」という、なんとなく皆が「そんなの当たり前だろ」と感じていることを、きちんとエビデンス(科学的根拠)で証明しようとしているのですからね。コロンブスの卵的な臨床研究ですが、こういう臨床研究は大好きです。

 

ついつい熱く語ってしまいましたが、最終結論です。

「1日数回のうがいにより、コロナ感染予防に効果があるだろう」

です。

 

別にポビドンヨードでうがいをする必要はないです。コロナ感染予防のため、毎日の手洗い、うがいは欠かさず行いましょうね。

 

福岡院の夏休みも終わりです。休み中は食にかなりこだわっていました。

朝、昼、夕に一品は必ず食物繊維を含むものを入れてます。

ある日の夕食です。水溶性食物繊維をたっぷりいただきました。

 

 

 

 

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。