福岡天神内視鏡クリニックブログ

逆流性食道炎を考察する その7 原因不明の咳と逆流性食道炎

おはようございます。

今回は逆流性食道炎シリーズの第7回です。

 

「声がれ」や「長引く咳」で呼吸器内科や耳鼻科を受診したけどどこも異常はないと言われた・・・。

でも症状が治らない。怖い病気じゃないのかな?

原因不明のこれらの症状で長くお悩みの方はいませんか?

その症状、実は逆流性食道炎が原因かもしれません。

 

 

以前、第2回で逆流性食道炎の典型的な4つの症状「胸やけ」「呑酸」「つかえ感」「胸痛」についてお話ししました。

逆流性食道炎を考察する その2 逆流性食道炎の症状

逆流性食道炎はこの4つの典型的な症状以外にも前回お話しした難治性のしゃっくりなど実に様々な症状がでることがあります。

https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/blogpage/2021/01/27/9043/逆流性食道炎を考察する その⑥ そのしゃっくり逆流性食道炎が原因かも!? – 福岡天神内視鏡クリニックブログ (fukuoka-tenjin-naishikyo.com)

 

 

 

 

意外に思うかもしれませんが、「口が苦い」「味覚障害」「声がれ」「のどのイガイガ」「のどのつかえ感・つまり感」「長引く咳」が逆流性食道炎の症状の1つとして出ることがあるんです。

 

 

食道の上部は、咽頭(口から食道へと食べ物が通る通路、鼻から気管へと空気が通る通路)喉頭(気管の入り口)とつながっています。

このため、逆流性食道炎により胃酸が食道から咽頭や喉頭にまで逆流すると、「口が苦い」「味覚障害」「のどのイガイガ」「のどのつかえ感・つまり感」「長引く咳」といった症状が出ます。さらにその影響が喉頭の声帯にまで及ぶと「声がれ」が出ます。

 

 

逆流性食道炎で咳がでるメカニズムとしては次の2つが考えられています。

①逆流した胃液が喉頭から気管の入り直接気管を刺激することで咳がでる

②逆流した胃液が食道の知覚神経を刺激し、その刺激が気管の神経にも伝わり反射的に咳が出る

 

 

「長引く咳」というと、多くの方が気管支炎、肺炎、肺がんなどの呼吸器疾患を思い浮かべると思いますが、長引く咳は逆流性食道炎を含む胃食道逆流症の患者さんの10%以上に認められるという報告もあり、逆流性食道炎が原因ということも実は稀ではありません。

CTやレントゲンで呼吸器系に異常が無いにもかかわらず、長期間咳だけが続き、咳止めや吸入薬などで治療を行っても改善しない場合に、逆流性食道炎の治療を行うと改善したという報告もあります。

 

 

とはいえ、「声がれ」「長引く咳」といった症状は風邪をはじめとした肺や気管支などの呼吸器疾患や喉頭がんなどで出現することの方が多いため、まずはこれらの病気が隠れていないかは呼吸器内科や耳鼻咽喉科でもしっかり調べてもらいましょう!!

 

 

原因不明の場合は、逆流性食道炎が原因かもしれません。

お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。