福岡天神内視鏡クリニックブログ

乳酸菌の大冒険〜整腸剤を飲んだ後、乳酸菌はどうなる?〜

おはようございます。福岡天神内視鏡クリニックの秋山です。

 

以前、私はヒトの免疫である「自然免疫」と「獲得免疫」について解説をしました。実はこれは、整腸剤が体に及ぼす効果の基礎となります。

これを読んで、今日から「免疫博士」になろう!

 

というわけで今回は、整腸剤の乳酸菌は、体の中でどんな経過をたどるのかを解説します。

題して、「乳酸菌の大冒険」です!

 

 

まず、口から整腸剤を飲むと、食道を通り、胃の中に入ります。

 

ここで錠剤が溶けて、中に入っていた菌がわーっと出てきます。が、残念なことに胃酸によって、ほとんどの菌が死んでしまいます。

これは、食前に飲んでも、食後に飲んでも、そこまで大差はありません。

 

そして、死んだ菌はそのまま胃、十二指腸を通り抜け、飲んでから数時間以内に小腸に流れ込みます。

 

実は小腸にはたくさんの免疫細胞がいます。だいたい人間の免疫細胞の7割が腸に存在していると言われています。

 

腸のところどころに、「パイエル板」という小さな凹みが点々と存在しています。

この凹みは、実は腸にしかない特別なものです。

「パイエル板」の表面に「M細胞」がいるのですが、整腸剤の乳酸菌が小腸に入ってくると、まずはこの「M細胞」がこの乳酸菌を取り込み、パイエル板の中に連れていきます。

 

次に、乳酸菌は、パイエル板の中で待ち構えていたマクロファージや樹状細胞に食べられます。

マクロファージや樹状細胞は菌を食べながら、「サイトカイン」や「抗菌ペプチド」と呼ばれる物質を分泌して、菌を食べる準備をするように自分と同じ細胞の仲間に伝達します。

 

こんな感じで、免疫細胞がどんどん活性化され、常に免疫スイッチが入っている状態になります。

この免疫力増強効果により、ウイルスや細菌などの感染症に強くなるだけでなく、がん予防、アレルギー予防にもなります。

 

この小腸での免疫力増強効果は、乳酸菌が生きていても死んでいてもどっちでも効果があります。

 

その後、小腸でパイエル板に取り込まれなかった菌は、大腸に入っていきます。

 

大腸まで届いた乳酸菌のうち、なんとか生きて届いた乳酸菌は、食物繊維やオリゴ糖などを分解して酪酸や酢酸などの「短鎖脂肪酸」を作り、これが腸の蠕動運動を促すことで、便通が改善します。

 

これがいわゆる整腸効果であり、整腸剤を飲むことで一番効果を実感するやつですね。

 

また、「短鎖脂肪酸」はその他にも、肥満防止、アンチエイジング効果、筋力低下防止などの作用があります。

 

「なんだよ、ほとんど胃酸で死んでしまうから大腸では効果が期待できないじゃないか。」

 

と思っている方、大丈夫です。

 

死んだ乳酸菌は、腸の中に住み着いている善玉菌の餌になりますので、これら善玉菌が餌を食べて元気になり、先ほど説明した「短鎖脂肪酸」を作ってくれます。

 

ちなみに、なんとか生きて大腸に届いた乳酸菌は、大腸に完全に定着することはありません。実は、整腸剤を摂取するのをやめると1週間ほどで腸内から消えてしまいます。ですので、生きた菌を腸まで届かせたい場合、毎日欠かさず摂取することが大切です。

 

以上、「乳酸菌の大冒険」でした。

 

いかがでしたか?

 

以上のような経過をたどることを考えると、より多くの乳酸菌を摂取した方が良い、というのがなんとなく分かるのではないかなと思います。

 

我々が監修している整腸剤のラクエイドは、1日6カプセルで、乳酸菌1兆個、ビフィズス菌200億個が摂れます。

整腸剤は薬ではありません。ですので、目に見えて効果を実感できるのは時間がかかります。特に、免疫力増強は実感としてはなかなかわかりにくいです。

未来への投資だと思い、ゆっくりと長い期間をかけて飲むようにしましょう。

 

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

 

 

 

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。