こんにちは。医師の秋山です。
なかなか終焉しないどころか、猛威を振るっているインフルエンザ。
流行りだしたら苦しくてインフルエンザよりも厄介な嘔吐下痢症。
すでに流行しはじめた花粉症・・・。
毎日の生活のパフォーマンスを落とさないために、病気を予防して免疫力を高めたい!
自己免疫力を上げるためには、
① 整腸剤の内服 ② 高濃度ビタミンDの摂取 ③ 高濃度ビタミンC点滴
の継続がよいと思います。
今回は免疫力をアップさせる新入生を紹介したいと思います。
新入生は、「フコイダン」です。
初めて聞く方もいるでしょう。
痰を切る薬「ムコダイン」でも、ドラクエの呪文でもありません。
フコイダンは、コンブやモズク、ワカメやメカブなどに含まれている、あのヌメヌメ成分です。
海藻の薬理作用は、実は昔から知られていたようです。
中国最古の薬物書「神農本草経」には海藻が腫瘍を治すと記述されていたそうです。
日本でも平安時代の「本草和名」には、
「モズクはこぶや腫れものを散ずる。アラメは婦人病を治す。コンブは13種の水腫を治す。黒焼きにすると口・舌・歯牙の病を治す。」
と書かれていました。
最近の話題では2000年頃、腫瘍が再発・転移してどの西洋学的医療も及ばず余命宣告を受けていた患者さんがいました。
藁をもすがる思いでフコイダンを摂取したところ、腫瘍は消失し腫瘍マーカーも正常化したという魔法のような話があります。
一見信じられないような話ですが、その後九州大学大学院でフコイダンの研究が進められています。
フコイダンの3大作用は、
① がんに対するアポトーシス(がん細胞が自滅していく)作用 ② 免疫力向上作用 ③ 血管新生抑制作用
と言われています。
実際に期待される効果としては、抗がん作用だけでなく、
● コレステロールや血糖値を下げる
● 花粉症やアレルギーの症状を抑える
● アンチエイジング・美肌作用
があります。また注目する効果として、
● 「胃の運動を亢進させる」(←これ、意外と大切なのです。声を大にして言いたい!)
● 食中毒菌の増殖抑制作用
といった胃腸への効果が報告されています。
免疫力を高めるヌメヌメ食材、「フコイダン」。
メカブやモズクなどは、毎日の食事に一品追加するのが手軽と思います。
味噌汁にワカメを入れるのも。
おでんの美味しいこの時期は、ぜひコンブも一緒に食べて温まりましょう。
とろろコンブと「海の野菜」といわれる海苔の、最強タッグおにぎりです。
抗腫瘍効果については、西洋医学に比較してまだまだデータが必要と思いますが、胃腸を強くして免疫力を高める作用については非常に注目しています。