福岡天神内視鏡クリニックブログ

介護施設や企業による「タクティール®ケア」の導入

おはようございます。医師の秋山です。

今日はひな祭り桃の節句です。

そもそも「節句」って何なのだろうと思い、調べてみました。

「節句」とは、季節を分ける節目のことでした。

もとは、中国から入ってきた言葉のようです。

奇数の数字が重なる日には、悪いことが起こると信じられていました。

その「災いや邪気を振り払うために、祭りをするようになった」そうです。

それならばひな祭りは、家族で大いに盛り上がるのが良いですね。

 

先日テレビを見ていたところ、「ただ”触れる”だけ!?広がるタッチケア」という特集が放映されていました。

正式には「タクティール®ケア」と言います。

10分程度背中や手足をゆっくりと優しく包み込むように擦るマッサージです。

このタクティール®ケアは1960年代、スウェーデンで未熟児のケアを担当していた看護師によって始まったと言われています。

看護師が自らの手を使うことにより、母親が幼い我が子を愛しむように母親に代わって毎日優しく擦りつづけました。

その後未熟児の体温が安定し体重が増加したことで、タクティール®ケアが広まるきっかけとなったようです。

現在は乳児から高齢者まで、健康な人から看護や介護に携わる人まで多くの方が活用できるように、「日本スウェーデン福祉研究所」が活動を行っています。

テレビでは、介護施設で認知症を持つ方にこのケアを施すことで、一部症状の改善がみられることがあり、積極的な導入が検討されていると紹介されていました。

これは在宅介護をしている家庭でも、みなさんで実践できる方法だと思います。

このケアを行うと、「一緒に触れ合うことの大切さ」を改めて認識することができます。

また「ケアをしている本人も、穏やかな気持ちになれる」というメリットがあります。

 

一部の企業では、このタクティール®ケアの導入が検討され始めているということです。

スタッフみんなで、お互いにケアをし合う時間を設けているようです。

お互いにこのケアを行うメリットとして、「スタッフ同士の絆が強くなる」ことを挙げていました。

また、ケアを受けた後の「リラックスした心地よさが、商品開発のひらめきを生む」ことにも繋がるようです。

つまり、タクティール®ケアにより「会社全体が同じ目標に向かって進む動機づけが生まれ、企業発展のきっかけになる」可能性があります。

リラックスできる時間を増やし、交感神経・副交感神経のバランスを取ることは、毎日の生活のパフォーマンスを上げるうえでとても大切なことだと考えています。

また、タクティール®ケアがオキシトシン分泌を上昇させることから、今解明が進みつつある「脳内のオキシトシンシステム」に働きかけている可能性も報告されています。

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ケアの仕方を知るだけで、誰もがお金をかけずにできる「ストレスケア」になります。

私はタクティール®ケアが、もっと多くの人に広がることを願っています。

 

* タクティール®が商標登録されているために、このケアについてブログで紹介してみてよいか、日本スウェーデン福祉研究所問い合わせてみました。

上記内容につきましては、日本スウェーデン福祉研究所の確認を得ています。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。