福岡天神内視鏡クリニックブログ

加熱式たばこについて

おはようございます。医師の秋山です。

最近、診察をしてふと気付いたのですが、患者さんに喫煙歴の有無を聞くと、「たばこをやめて加熱式たばこを吸うようにしています。」という患者さんが増えてきました。加熱式たばこについての知識があまりなかったため、今回は、加熱式たばこについて調べてみました。

現在、日本には様々な加熱式たばこが販売されています。加熱式たばこは、従来の紙巻たばこと同じく、葉たばこを使用しています。ただし、燃やすのではなく、電気的に熱して使用します。従来の紙巻たばこと同様に、ニコチンなどの様々な化学物質が生じますが、加熱式たばこの方がその量は少ないと言われています。

この加熱式たばこですが、厚生労働省は以下のような見解を発表しています。

1.加熱式たばこの主流煙には、紙巻たばこと同程度のニコチンを含む製品がある。

2.加熱式たばこの主流煙に含まれる主要な発がん性物質の含有量は、紙巻たばこに比べれば少ない。

3.加熱式たばこ喫煙時の室内におけるニコチン濃度は、紙巻たばこに比べれば少ない。

この厚生労働省の見解によれば、確かに加熱式たばこの方が、喫煙者や受動喫煙者のどちらにも健康に良いような気がしますね。

しかしながら、日本禁煙学会、日本呼吸器学会は、「加熱式たばこの使用者、受動喫煙者共に、従来の紙巻たばこと同様に健康を害する可能性がある」という趣旨の警告をしています。

現時点で加熱式たばこが人間の体にどのような影響を及ぼすのかはまだ分かっていません。加熱式たばこの歴史は浅く、データの蓄積はこれからです。

それでは、これらの学会はなぜこのような警告をしているのでしょうか。

それは、これまでの紙巻たばこの歴史と関係があると思います。

紙巻たばこが健康に害を及ぼすことは半世紀以上前から指摘されており、このため、喫煙者の健康に悪影響を及ぼさないように、低ニコチン、低タールやフィルター付きのたばこなどが開発され、販売されてきました。しかしながらそれでも肺がん、肺気腫、虚血性心疾患などの病気のリスクは低下しませんでした。そういう科学的根拠を元に、上記のような見解を示しているのではないかと思います。

以上が現在の加熱式たばこに対する現状です。加熱式たばこでも吸いすぎには注意が必要ですね。

当クリニックの近くにあるドン・キホーテです。沢山の種類の加熱式たばこが販売されていたので驚きました。

 

 

 

 

 

 

 

今回は、これまで胃カメラで苦しい思いをしてきた方への当院の胃カメラの特徴について、動画にしました。

他院で胃カメラがツラかった方は、一度動画をごらんください。

 

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。