おはようございます。医師の秋山です。今日は、最近よく質問を受ける、逆流性食道炎(GERD、ガードと読みます)の話をします。
GERDは文字通り、胃酸が食道に逆流し、それに伴い食道粘膜が荒れる病気です。
症状としては、胸焼け、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、げっぷ、胸のつかえ感、胃もたれ、上腹部痛などのほか、喉の違和感、慢性の咳、中耳炎、睡眠障害なども引き起こすことがある病気です。
診察をしていても、GERDの症状で来院される方が以前より増えています。原因としては、①食生活の欧米化、②高齢化、③衛生環境が整い、ピロリ感染が少なくなった、などが考えられると思います。
それでは、GERDの症状を予防するために必要なことはなんでしょうか?胃酸が食道に逆流しないようにすればいいと考えると、①胃酸が食道になるべく逆流させないようにする、②胃酸がたくさん出ないようにする、この2つを意識すればいいわけです。
まず、普段の生活習慣として気をつけるには、
肥満を解消する、お腹を締め付けるような服は避ける、猫背や前かがみの姿勢に気をつける、お腹いっぱい食べず腹八分にする、食後30分以上は横にならない、寝る時に少し高めの枕で寝る、などです。これだけで胃酸の逆流の予防になります。
また、食べ物でも注意が必要です。
脂っこいもの、辛いもの、熱いもの、トマト、柑橘系、酢の物、などの酸味が強いもの、デザートなどの甘いもの、炭酸飲料などは胃酸がたくさん出ますので注意してください。
また、たばこ、アルコール、コーヒーなどの嗜好品は、胃酸がたくさん出るだけでなく、食道と胃の境界の締め付けを緩めてしまう効果がありますので飲み過ぎに注意です。
そんなことしなくても、薬を飲んでいれば症状はなくなるしいいじゃないか、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、現在のGERDの薬は非常に効果が高く、長期内服している方も多いです。しかしながら、現在、薬の長期服用による副作用が報告されています。認知症、肺炎、骨折、胃がんのリスク大、などです。
当クリニックではなるべく薬を使わずにGERDを治すことを考えています。GERDで悩んでいる方は一度当クリニックを受診されてくださいね。
ハワイのコナコーヒーです。苦味が少なく飲みやすいですが、飲みすぎないようにしないといけませんね。