福岡天神内視鏡クリニックブログ

目に見えるがんは、予防と早期発見を。目に見えない疾患は、諦めずに受診を。

医師の秋山です。

これまで書いてきたブログを総括しました。

 

まずは目に見える「がん」についてです。

胃がんは残念ながら、完璧な予防というものができません。

なぜなら胃がんは、何もないところからポッとできてくることがあるからです。

ピロリ菌を除菌しても、胃がんのリスクは0という訳ににはならないのです。

しかし、胃カメラをできれば1年に1度定期的に受けるようにしておくと、運が悪く胃がんが見つかっても治せる段階で見つかる可能性が高いため早期発見のために定期検査を受けることが大切です。

 

一方、大腸がんは、最初からガンとして出てくることもありますが、多くは大腸ポリープが大きく育つた結果、ガン化します。

このため、大腸カメラも定期的に受けるようにしておくと、大腸ポリープが見つかった時点で治療してしまえば、理論的には大腸がんにならずに済むことになります。

実際アメリカでは、多くの人が大腸カメラを受けていて、大腸がんは減少してきています。

対して日本は先進国の中で、非常に低い大腸カメラ受診率になっています。

 

胃カメラも大腸カメラも、「キツイ・苦しい」のイメージが強いと思いますが、当院ではがんの予防と早期発見に貢献するために、苦しみに配慮した検査を行っています。

 

逆に胃もたれや胃痛、下痢や便秘といった症状があるときに、がんや潰瘍はほとんど見かけないものです。

内視鏡で目に見えないけれど、症状が慢性的に出て困っている人たちがいます。

胃もたれや胃痛は「機能性ディスペプシア」、下痢や便秘は「過敏性腸症候群」、お腹の張りは「SIBO」と言います。

これらの疾患は「目に見えない」つまり見ることができないものですが、これらの治療も日本では遅れています。

がんについては「患者さんの受診率の低さ」が問題ですが、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群・SIBOについては「医療者側の認識・理解度の低さ」が問題になっています。

目に見えない疾患に対して、「精神的なもの」「気のせい」と決めつけてしまうことはできますが、日本人の1000万人以上が胃や腸の症状で悩んでいる症状と向き合わないのは、時代にそぐわないと思います。

患者さんの中では、医療者から相手にされずに泣き寝入りをして症状改善を諦めている人も多いかと思います。

しかし良い意味で「ドクターショッピング」をして自身にあった、共感できる医療者を見つけることは大切なことであるし、必ず見つかると思います。

目に見えない疾患は治療も難しいものが多いものですが、諦めずに受診を続けることで道が拓けて症状改善の突破口が見えてくることもよくあります。

 

がんは予防と早期発見で、「大腸がんにならないこと」「胃がんで亡くならないこと」を目指し、目に見えない疾患は「諦めずに病院受診を続けること」を目指しましょう。

これらはそれほど難しいことではなく、「前に一歩踏み出せる勇気」があれば大丈夫だと思います。

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。