福岡天神内視鏡クリニックブログ

潰瘍性大腸炎について

おはようございます。医師の秋山です。

昨日、安倍晋三首相が辞意を表明されました。歴代最長の7年8ヶ月の在職でした。コロナという未曾有の国難などもあり、持病の潰瘍性大腸炎が悪化され、職務継続困難とのことです。

大変お疲れ様でした。まずはしっかりと病気の治療を優先されてください。

 

さて、この潰瘍性大腸炎ですが、簡単に説明しておきたいと思います。

 

潰瘍性大腸炎は、文字通り、大腸にびらんや潰瘍ができる、慢性の炎症性疾患です。指定難病の1つとなっています。

潰瘍性大腸炎の粘膜面です。ガサガサしていますね。

我々の免疫力は7割が腸から作られているのですが、この病気は、なぜか自分の大腸を敵だと誤って認識していまい、自分の大腸をチクチクと攻撃することで発症します。

 

ただ、煙草を吸っている人は発症しにくいとか、虫垂炎などで虫垂を切除した人は発症しにくいとか、よく分からないことが多い病気です。

 

20代〜30代に多いと言われていますが、個人的な印象としては、どの年代でも発症します。

1,000人に1人の罹患率であり、男女差はありません。遺伝的要素があると言われています。

 

主症状は腹痛、下痢、下血です。症状がなく、便潜血陽性で大腸カメラをして発見される方もいますね。

 

治療は内服薬での治療が第一選択です。内科的治療でどうしても治らない場合は手術で大腸を全摘します。

 

ざっくりと潰瘍性大腸炎を説明しました。安倍首相もかなりのストレスがあったのではないかと容易に想像できます。

 

潰瘍性大腸炎は過度なストレスで病状が悪化します。風邪や胃腸炎ではありません。国が指定している難病です。命に関わることもあり、大腸がんにもなりやすいと言われています。上述したように誰でもこの病気になる可能性があるのです。

今はただしっかりと療養され、症状が抑えられることを願っています。

 

もしかしたら潰瘍性大腸炎かも、と思われた方は一度当院を受診してくださいね。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。