福岡天神内視鏡クリニックブログ

市販されている便秘薬はどれを飲んだらいいの?

おはようございます。秋山です。

競泳用水着の2大メーカーといえば、“speedo(スピード)”と”arena(アリーナ)”ですが、個人の好みにより、どちらのメーカーを使うか分かれます。

ちなみに、私はこだわりの”speedo”派なんですが、先日、arenaの専門ショップにふらっと立ち寄り、気づいたら水泳用の耳栓を買ってました。

 

さて、今回は、市販されている便秘薬について解説します。実はこの企画、患者さんからのリクエストが非常に多かったです。

 

ドラッグストアで、代表的な3つの便秘薬を購入しました。どこのドラッグストアでも簡単に購入できるものばかりです。

①酸化マグネシウムE便秘薬 ②タケダ漢方便秘薬 ③コーラックです。

 

それでは1つずつ解説していきましょう。

 

①酸化マグネシウムE便秘薬 90錠 1202円(税込)

用法用量:成人 1回3錠〜6錠

効果発現:早い人で服用後2時間くらい 平均8時間後くらい

 

いわゆる非刺激性便秘薬の代表です。酸化マグネシウムが水分を集め、便を柔らかくしてふっくらと膨らませ、排便を促します。常習性はなく、クセにはなりませんので大丈夫です。

 

1錠で酸化マグネシウム330mgが含まれています。1錠で効果がある方もいますので、1錠から開始してオッケーです。また、1日量を1回でまとめて飲んでも、2〜3回に分けて飲んでも効果に差はありません。好きな時に飲んでください。つまり、自分で飲む量や回数を自由に調節できる薬です。

効果が出るのが、早い人で服用後2時間くらい、遅くても10時間くらいで効果が出てきます。効果がない場合は1錠ずつ増やしましょう。

 

②タケダ漢方便秘薬 65錠 1078円(税込)

用法用量:成人 2〜3日排便ない時は1回1~3錠 4日以上排便ない時は1回2~4錠

効果発現:服用後8時間くらい

 

漢方薬系の便秘薬の代表格です。大黄甘草湯がベースの刺激性下剤です。大黄には「センノシド」という成分が含まれおり、これが腸管運動を亢進させて排便を促します。服用後8時間くらいで効果が出てきます。

 

1錠で大黄が267mg含まれおり、最大量の4錠で1,068mgです。医師が処方する漢方便秘薬には、1日量で最大4,000mgの大黄が含まれているものもありますので、それに比べるとタケダ漢方便秘薬はマイルドな便秘薬に位置します。

もちろん、大黄が主成分ですので、依存性があり要注意です。

 

③コーラック 60錠 723円(税込)

用法用量:成人 1回2錠

効果発現:6~11時間

 

いわゆる「ピンクの小粒、コーラック」で有名ですね。刺激性下剤と言えばこの薬です。主成分は「ビサコジル」です。大腸の神経を刺激して、腸のぜん動運動を亢進させて排便を促します。

2錠でビサコジルが10mg含まれており、1回量としては十分です。ただし、依存性があり、連用すると効果が薄れてきます。以前、1日60錠も(!)飲んでいる方がいたのですぐにやめさせました。要注意です。

 

便秘薬の使い方としては、まず非刺激性便秘薬である酸化マグネシウムがベースになります。これに整腸剤を併用します。この2剤だけで便秘が解消する方が多いです。

 

それでも便秘が解消しない方は、タケダ漢方便秘薬やコーラックなどの刺激性下剤を追加していくのですが、毎日服用するのではなく、週に1〜2回までにしてください。

 

ただ、便秘の原因検索は絶対に必要です。大腸がんが隠れている場合もありますので、一度クリニックにご相談くださいね。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。