おはようございます。医師の秋山です。昨日は暑かったですね。サングラスにマスクという、我ながら完璧な装備で外出しましたが、トイレの鏡に映った自分を見て軽く凹みました。
さて、今日は診察の時によく質問される、「大腸がんになりやすいタイプは?」について解説します。
現在、日本人は大腸がんが激増しています。部位別がん死亡率ですが、大腸がんは男性で第3位、女性で第1位です(2018年;国立がん研究センターより)。
それでは、大腸がんになりやすいタイプはどんな方でしょうか?
身体的特徴としては、高身長、肥満体
生活習慣としては、飲酒、喫煙、運動不足、牛肉、豚肉、加工肉(ハム、ソーセージ)の過剰摂取
遺伝的特徴としては、家族に大腸がんがいる方です。
この中でも、「食事で気をつけることはありますか?」という質問が多いです。食事は生活に欠かせないものですからね。
国立がん研究センターが、日本人の肉摂取量と大腸がんとの関係についての研究結果をまとめていますが、非常に面白いデータですので、私見を含めざっくりと紹介します。
研究結果によると、1日9gの牛肉を食べると大腸がんのリスクが上昇します。1ヶ月で換算すると270gです。我々が焼肉を食べに行くと、1人平均350g程度の牛肉を食べると言われており、1ヶ月に1回、焼肉を食べに行くだけで大腸がんのリスクが上がる計算になります。
豚肉は、1日36gまでオッケーです。1ヶ月に換算すると1kgまでは大丈夫な計算になります。
加工肉は深刻です。基本的に、加工肉を食べると大腸がんのリスクが上がると考えてください。
ちなみに、鶏肉には基本的に大腸がんリスクはありません。たくさん食べても大丈夫です。
このように、豚肉や鶏肉がヘルシーと言われるのはきちんとした理由があるのです。
以上のような結果ですが、普段の生活で上記のことをきちんと守るのははっきり言って難しいと思います。
やはり大腸がんの一番の予防法は、定期的な大腸カメラを行うことです。大腸カメラを行い、大腸の中をきれいにお掃除し、大腸ポリープを切除することが一番です。
ぜひ定期的な大腸カメラを行なってくださいね。
先日、久しぶりに「からあげクン」を食べました。上述したように、鶏肉は大腸がんのリスクファクターにはなりません。いつか焼き鳥を食べに行きたいです。