福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘薬との上手な付き合い方

こんにちは、院長の相馬です。

当院では便秘外来をしています。

私の便秘外来の方針は、次の2本立てです。

1.整腸剤を地道に続けることで、腸内フローラを整えること

2.腸のカタチを身体の外から整えること

とはいえ、長年の便秘は簡単に治らないことも多い(中にはアッサリ治る人もいますが)ので、今回は便秘薬について書くことにしました。

便秘の最近の知見と、私の便秘診療での経験についてまとめてみます。

 

便秘薬の中でも、「大腸刺激性便秘薬」についてに絞ります。

使用している便秘薬の成分表を見てみてください。

大腸刺激性便秘薬(大腸をギュギュっと刺激して便を押し出していくタイプ)を以下の4つに分けます。

① センナ

② 大黄(ダイオウ)

③ お茶

④ ?

この4つは、連用していると大腸粘膜が色素沈着により黒くなっていく「大腸メラノーシス」を起こします。

こちらは便秘薬を飲んでいない、きれいな腸粘膜をしています。

こちらと比較して下の大腸粘膜は、

粘膜が蛇の皮のように黒ずんでいます。色素が沈着しているのです。

これを「メラノーシス」と言います。

自分の大腸粘膜の画像を見ると、みんな大腸刺激性便秘薬は止めていこうという気になります。

でも「メラノーシス」を起こすほどの便秘の人が、便秘薬をパタッと止めると、当然便が出なくなります。

私は診療をしていて、種類によって便秘薬の耐性のつき方に差があるのではないかと思っています。

 

①センナは、薬局にある西洋薬の主たる成分(コーラックやスルーラックなど)です。

便秘=センナというくらい、病院で一番頻繁に処方されます(プルゼニドやアローゼン、ヨーデルなど)。

センナは大腸刺激に即効性があるので、便が良く出ます。

ですから「どうしても便が出ないでお腹が張るな」というここぞ、で頓服として飲むとよいでしょう。

毎日便が出やすいから、と安易に飲み続けると「同じ内服量でだんだん出なくなってくる」ところが、センナの厄介なところです。

中には用法・用量の何倍もの錠数を、内服している方も珍しくありません。

「センナは常用しないで頓服で飲む」ことが大切です。

 

②大黄は漢方です。

やはりメラノーシスを起こしますが、内服している人をみていると、不思議と「漢方を何倍も飲まないと出ないのです」という人には巡り合いません。

でも漢方を飲まないと出ない。

たしかに大黄はメラノーシスを起こしますが、耐性は付きにくいのではないかと考えています。

大腸カメラを定期的に受けて大腸がんのリスクが下がっているのならば、急にやめたりせずに続けてもよいと思います。

漢方は容量依存性(増やせば増やすほど効果が出る)はあまりないので、1日1回などで便が出るならば続けていても良いでしょう。

 

③お茶といっても一般のお茶でなく、通販などの「便が良く出るお茶」のことです。

この系統のお茶を飲んで「毎日便が良く出るようになった」、という人は多くいます。

便秘薬は飲んでいないのにメラノーシスがある人の場合、話しているとたいていは「お茶」にたどり着きます。

成分をよくみてみるとセンナが入っていたり、大黄が入っていたりします。

お茶を飲むのは構わないですが、「成分を知った上で飲む」のがいいと思います。

 

④そのほかメラノーシスを起こすマニアックな原因として、アロエがあります。

アロエで大腸が黒くなるの?と言われますが、黒くなります。

もう1つ、最近理事長が新たなメラノーシス原因物を発見しました。

それはフォースコリーです。この1年間の診療で2人いました。

センナも漢方も出る出る系のお茶も飲んでいない。アロエも食べていない。

いろいろ聞いてみると、飲んでいたのはこのサプリメントだけでした。

フォースコリーの成分を調べてみると、インド原産のコレウスコリスコリエキスというものハーブが入っています。

ダイエット効果についてはよくわかりませんが、大腸を黒くする成分があるかもしれません。

 

まとめ(メラノーシスが起きる便秘薬について)

〇センナは排便効果が高い。

ただ常用していると、だんだんと効かなくなることがある。

なかなか便が出ないときに、頓服で使用するのが良い。

〇大黄、アロエはメラノーシスを起こす。

でもセンナに比べると耐性はできにくいようだ。

腸粘膜は黒ずむが、少ない量で継続して内服・食べる分ことはよいのではないか。

〇出る出る系のお茶は、一度成分をよく知った上で飲む。