福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘改善法の裏ワザ ~どうしても便秘が治らない方へ

おはようございます。医師の秋山です。

「若いころから便秘で、週に1回しか便が出ない。」

「市販の便秘薬を飲んでも、はじめに硬い便が出てあとはベチャベチャした便が出るのの繰り返し。」

「いつも便秘で、お腹が張って苦しかったり、痛かったりすることもある。」

ような方はいませんか?

このような便秘の症状は女性に多く見られます。

「どんな便秘薬を飲んでも、今一つ便通がパッとしない。」

「食物繊維を相当意識して食べ物から取り入れているのに、便が出ない。」

そのような方に、私がおススメしたい方法があります。

「ああ、また整腸剤でしょ」と思った方。

今回は違います(もちろん整腸剤を継続して腸内環境を整えることは、とても大切です)。

 

王道である正統な便秘改善方法は、こちらをご覧ください。

自宅でできる便秘外来 ~腸内環境・腸のカタチ・自律神経を整えていく方法

 

今回の正解は、「大腸内視鏡検査を受けること」です。

これは裏ワザです。

結局カメラの宣伝ですか、と言わないでください。

大腸カメラを受けると、次回来院した時に便秘が自然に治っている方が少なくないという事実があります。

なぜだと思いますか?

 

私は便秘が解消する理由を、次の3つと考えています。

① 腸内環境が1度リセットされる

大腸内視鏡検査では、大腸をきれいに観察するため「下剤」を飲みます。

「大腸内視鏡検査そのものよりも、下剤を飲むことの方がツライ。」

という方、ご安心ください。

当院では一番飲みやすい下剤を選び出して、その人その人に合わせた最適な下剤量を割り出しています。

「下剤が想像していたよりも飲みやすかった」と言ってもらえています。

腸内のすべての便(腸内細菌叢の塊)が1度全て出ていきますから、腸内は細菌叢を作り出すリスタートを切ることになります。

つまり長年の便秘であった人も、ここから新たな便通生活を開始するチャンスとなるわけです。

ここから整腸剤を始めたら、ベストになりますね。

 

② 宿便が取れる

厳密にいうと、消化器系では「宿便」という定義はありません。

しかし、人によっては大腸に「憩室」という袋ができていることがあります。

検査をすると3人に1人くらいは見かけます(文献では10人に1人とも言われますがもっと多いと思います)。

「憩室」とは腸の壁が外側に飛び出たものです。

がんや腫瘍ではないので、治療する必要はありません。

でもこの中に便が詰まっていることがあります。

その便も洗い流すことができますので、宿便がなくなり便秘が解消することがあります。

 

③ 安心する

大腸内視鏡検査を受けると、

「ポリープがなかった」

あるいは「ポリープがあっても切除できてなくなった」

という安心感です。

胃腸という臓器は、自律神経の影響を強く受けています

ストレスや疲労、不安という目に見えないものの「積み重ね」が、胃腸の動きを悪くします

そして、胃腸の動きが悪いことに「慣れてしまっている」可能性があります。

「胃腸にがんはない、悪いものはないのだ」

と思っただけで、みなさん安心します。

これがとても大切な感情です。

「安心感」は自分で感じるものなので、「大丈夫なのだ」とホッとした瞬間から胃腸が正常に動き出すことがあるのです。

もともと持っていた、本来の胃腸の動きを取り戻すことができるとも言えるでしょう。

当院は、人それぞれの便通や体格に合わせて、オーダーメイドで下剤の種類や飲む量を調節します。

みな一律、2リットル飲まなければいけないことはありません。

大部分の方が、少ない下剤量で検査をすることができます。

下剤の味自体がどうしても苦手な方の場合でも、「錠剤と水分」で大腸をキレイにすることも可能です。

便秘解消の裏ワザ、いかがだったでしょうか?

かなり特殊な便秘解消法ですが、1度試してみる価値があると私は思っています。

 

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。