おはようございます。医師の秋山です。
今回は「頑固な便秘の改善方法」について書きます。
私の便秘外来では、いつも同じことを話しています。
「整腸剤の内服(私の考えでは、整腸剤は薬ではありません)を習慣化すること」
「自律神経の乱れを整えること」
「腸のカタチを整える体操・マッサージ」
をお伝えしています。
お時間がありましたら、「自宅でできる便秘外来」もご覧ください。
多くの方は、これだけで便秘が快方へと向かいます。
本当にそうなのかと、訝しく思われるかもしれません。。
ときどきそのほかの便秘薬として、マグネシウム(緩下剤)や麻子仁丸(軽く腸を動かしてくれる漢方薬)を追加することがありますが、多くの方が最終的に便秘改善方法を習得して、外来を卒業していきます。
色々と話してきた患者さんが終診となることは少し寂しくもありますが、「便秘が改善できて良かった」と嬉しく思うひと時でもあります。
時に、整腸剤の内服や体操・マッサージを全部行っていても「なかなか治らない」方がいます。
「先生が言う整腸剤も飲んでいるし、体操もしています」
「水分も1500ml~2リットル、しっかり飲むようにしています」
「食物繊維も意識してしっかり摂っています」
と言われると、私にはアドバイスできるものがなくなっていきます。
このように便秘の改善方法が見つからなり困った場合、私は
「とりあえず、また1か月後に来てください」
と言います。
みなさん一瞬「?」という顔をされますが、翌月も再来していただけることが多くあります。
なぜ、腸内環境や自律神経の乱れを整え、「捻じれ腸・とぐろ腸」を改善しても、便秘がよくならないのでしょうか。
私は、「患者さんが、普段無意識で行っている行動や生活習慣」の中に便秘の原因となるヒントが隠されているのではないかと考えています。
そのような手詰まりを感じたときには、あえて便秘とは直接関係のない話をしています。
便秘薬を増やすことは、あまりしません。
「1か月後にまた来てください」という約束だけして、診療が終わります。
このようにしてしばらく再来診療を続けていると、ある日突然患者さんが、「~~の方法を思いついて、便秘が改善しました」と長年の便秘歴がなかったかのように再来することがあります。
「良かったですね」と言って終診になることもありますし、私に「便秘が良くなった方法を教えますよ」、と嬉しそうに毎月来られる方もいます。
つまるところ、「気が付くといつの間にか便秘が良くなっていく」ことになります。
どんな方法でも便秘が治らないタイプ方の場合、対話を継続しながら、「なぜ便秘になっているのか、便秘になった背景がないか」と一緒に考えていくことにしています。
中にはよくよく聞いていくと、「便秘でいることを自ら無意識に選択している」方がいることもあります。
その場合には「なぜ便秘でいることの方が都合がよいのに、私の外来に来ているのだろう」と考え、その方に一番合った方法をアドバイスしています。
我慢強く外来に来てくださると、私がよいアドバイスができなくとも腸内環境が改善され腸のカタチも整っている下地ができているので、最終的に「患者さん本人が、便秘になっている何らかの習慣に気づいていく」ことで便秘が解消されます。
いつも便秘に悩まされている方は、腸内環境と自律神経を整え、腸のカタチを整えた上で、「一度自身の生活習慣を細かくメモしてみる」ことをおススメします。
普段何気なくしている行動の中から、意外なクセに気が付くかもしれません。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。