こんにちは、医師の秋山です。
今回は、多くの人が悩むことが多い「便秘」についてお話ししたいと思います。
お時間がありましたら、「自宅でできる便秘外来」もご覧ください。
まず便秘という状態ですが、「お腹が張っていることが多かったり痛かったりする」
「排便する時にとても力がいる、お尻が痛い」
といった、生活上に不便を感じる場合をいいます。
そういう意味では、毎日便が出ないからといって「便秘、便秘」と悩む必要はないと思います。
とはいえ、お腹の症状から解放されたい・楽になりたいと思っている人が多いのが実際のところです。
便秘を良くしようと、ありとあらゆる方法を調べて熱心に実践されている方もいます。
普段は腸内環境を整えること(整腸剤)と腸のカタチをと整えることをお話ししていますが、今回は、「腸の動き方と食物繊維」から便秘を考えてみましょう。
便意の人の腸の動き方を2つに分けてみましょう。
1.腸が動かない(便の回数が少なかったり、腸がゴロゴロする)人
2.腸が異常に動く(便が硬い、腸がゴロゴロするがなかなか出ない)人
1.腸が動かない人は、腸が動くようになると便が出やすくなります。
非水溶性の食物繊維(ゴボウやふすまなど)をとると、便のかさが増えます。
便のかさが増えると、腸が刺激されて便が出やすくなってきます。
2.腸が異常に動く人は、腸がちょうどよいように動くようになると便が出やすくなります。
こちらは水溶性食物繊維(リンゴ・みかんなどの果物やわかめ・昆布などの海藻類)をとると、腸内環境が良くなって便が出やすくなります。
最近見かけるトクホの「難消化性デキストリン」は水溶性食物繊維に入ります。
水溶性と非水溶性の区別が難しいのですが、日本人の10代から60代までは食物繊維の摂取量が足りないことが分かっています。
野菜・果物・海藻を今までより意識して食べてみることから入ってみましょう。
逆に食物繊維への「意識が高すぎ」て、多量に食べ過ぎている方も時々います。
非水溶性食物繊維を摂りすぎると腸が刺激されすぎ、蠕動運動が起きにくくなっていることがあります。
いつも「食物繊維をたくさんとっているのに便秘なんです」という方は、普段食べている食べ物を見直してみるといいでしょう。
このようなシンプルな腸のカタチだと、便は出やすそうですね。
便秘の人の腸は長いことが多く、ねじれていたりとぐろを巻いていたりして、そうやすやすとは便が出てくれません。
食物繊維・整腸剤、体操やマッサージで、普段からできるだけ腸がよく動いて良いカタチにしておくことが、便秘解消につながっていきます。
地道な生活習慣になりますが、あせらずに良くしていきましょう。