よくあるご質問
FAQ

「小腸のがん」になることもあるのですか?

胃・食道や大腸に比べると可能性は非常に低いですが、ごくまれに小腸がんをみることがあります。
小腸は十二指腸から始まり、空腸、回腸と続く約6メートルもの長さがあり、内腔には絨毛突起と呼ばれる粘膜で覆われています。粘膜を覆っている細胞の数は約3000億個ともいわれており、これらの細胞は約3日間の短いサイクルで再生を繰り返し、絨毛突起より栄養を吸収しています。
小腸は、腸管内に食物が留まらないですぐに移動しやすく、粘膜のターンオーバー(新しく再生してくること)もとても速いので、他の消化管に比べるとがんができる可能性が非常に低いと言われています。
通常の胃・大腸内視鏡検査では調べることは困難ですが、がんができる可能性も10万人に1人くらいと低いのが特徴です。
小腸がんは他の消化管同様に早期では症状が現れず、エコーやCTでも外からの検索になるため分かりづらく、そして通常の内視鏡検査発見できないため、進行してから見つかることが多くなってしまいます。
検査の手順としては、まず胃・大腸内視鏡検査を行います。食道や胃、大腸に貧血や出血の原因がないことが分かった時には小腸の疾患を疑い、カプセル内視鏡や小腸内視鏡といった専門性の高い検査を検討していくことになります。

この質問の答えを書いた人

平島 徹朗医師

国立佐賀大学医学部 卒業。
大分大学医学部附属病院消化器内科、国立がん研究センター中央病院内視鏡部など、
多くの病院・内視鏡専門クリニックで消化器内視鏡診断・治療を習得後、2011年たまプラーザ南口胃腸内科クリニック開院。