一般診療
GENERAL PRACTICE

ストレスによる腹痛・下痢

大腸に関する項目
何かの大きなイベントの前や会社への通勤途中に急にお腹が痛くなったり、下痢したりといったご経験はありませんか?
薬局で売っているお腹の痛み止めの薬や下痢止めの薬の服用などで症状が改善するからといって安心したり、様子を見たりしていませんか?
これらの症状は、緊張やストレスを感じることで出やすい症状ですが、その他になにか大きな病気が隠れている可能性があります。
自己判断で様子を見ずに消化器内科を受診して、その原因を調べてもらいましょう。
どういった疾患が疑われるかについて解説します。

ストレスによる腹痛や急にくる下痢はどうして起こるの?

これは、「脳腸相関」によるネットワークが原因と言われています。
それでは、「脳腸相関」とはなんでしょうか?
「腸」には、約1億個の神経細胞が存在しています。これは、脳に次ぐ多さです。
腸の粘膜下に「粘膜下神経叢」があり、ホルモン分泌などを行なっています。さらに腸管の筋肉には「筋層間神経叢」があり、腸の蠕動運動を行なっています。
この腸管神経が、交感神経、副交感神経を通じて脳とつながっており、互いに情報交換を行なっています。これが「脳腸相関」です。
ストレスによる腹痛や急にくる下痢ですが、イベント前の緊張感や、これから仕事をしなければいけない、などといったストレスを脳が感じ取り、強い不安感を抑えようと副交感神経が過敏に反応し、これが脳から腸に信号が送られ、それにより腸の動きが活発になり、下痢になったり腹痛を感じたりするのです。さらに、下痢や腹痛などの腸の不調な状態が脳へと伝えられることによりさらに症状が悪化するという、負のスパイラルに入っていきます。
以上のようなメカニズムで症状が出現するのです。

ストレスによる腹痛や急にくる下痢の具体例について

  • イベント前に急にお腹が痛くなり、トイレに駆け込む
  • 緊張するとお腹が痛くなり、下痢をしてしまう
  • 電車通勤中に便をもよおし、途中駅で降りてトイレに駆け込む
  • バス通勤中に便をしたくなるのではないかと不安になる
  • 食後に必ず下痢をしてしまう …など
症状の感じ方は、人により個人差がかなりあります。この病気の症状はこうでないといけないというものはありません。あくまでも上記の具体例は、症状の一例です。
診察時にご自身がつらいと感じている症状をそのままご自身の言葉で伝えて頂くのが最も大切です。また、診察時には

  • 「どういう時に症状が出現しやすいか」
  • 「症状を軽くしたり、悪化させるものがあるか」
  • 「下痢だけではなく、便秘になることはないか」
  • 「嘔気や嘔吐は伴っていないか」
  • 「食事の影響はないか」
などもお伝えください。

ストレスによる腹痛や急にくる下痢から考えられる病気について

基礎疾患はありませんか?(糖尿病、慢性膵炎、甲状腺機能亢進症、子宮内膜症、パーキンソン病、精神疾患など)

これらの基礎疾患の悪化の症状として下痢や腹痛を認めることがあります。

内服中のお薬はありませんか?(解熱鎮痛剤、抗潰瘍薬など)

薬の副作用として下痢や腹痛を認めることがあります。
その他の原因として

過敏性腸症候群

ストレスなどが原因で、「脳腸相関」が過敏になり、腸の蠕動運動に異常が起こり、痛みを感じやすい知覚過敏の状態となるため、お腹の痛みを伴う慢性的な下痢や便秘などの便通異常を引き起こします。今や日本人の10%がこの病気と言われています。思春期から40代までに多く、年齢とともに減ってきます。この病気は命に関わることはありませんが、腹痛や下痢などの症状により、日常生活に支障をきたすことが多いです。

過敏性腸症候群の診断基準は以下の通りです。
・繰り返す腹痛が、最近3ヶ月の間に少なくとも1週間に1回以上あり、
・下記の2項目以上の特徴を示す

  1. 排便によって症状が和らぐ
  2. 症状とともに排便の回数が変わる
  3. 症状とともに便の性状(外観)が変わる
治療としては、生活習慣の改善、ストレスの軽減、運動を行います。これでも治らない場合は薬物療法を行います。
上記診断基準が当てはまる方は過敏性腸症候群が疑われますので一度ご相談ください。

大腸がん

大腸がんとは、大腸にできた「悪性のできもの」のことです。「大腸がん」がどこまで深く到達しているかによって、「早期がん」と「進行がん」に分けられます。具体的に説明すると、大腸の筋肉(筋層と言います)まで到達すると「進行がん」となります。「進行がん」になると、周囲の臓器やリンパ節に転移する確率が非常に高くなり、生命予後に大きく関係してきます。

炎症性腸疾患

人間の免疫機構が何らかの原因で異常となり、自分の免疫力で自分の大腸を攻撃することにより、大腸に炎症を起こしてしまう病気のことです。潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類が存在します。症状としては、腹痛、下痢、血便などです。どちらも若い方に発症することが多いです。
主に内服薬で治療を行います。自覚症状が改善しても治療は続ける必要があり、長期的に治療を行なっていく必要があります。

感染性腸炎

細菌、ウイルス、原虫、寄生虫などの微生物が原因となって引き起こされる腸の炎症です。
これらの微生物が腸の粘膜に入ったり、腸内で毒素を産生することで症状を起こします。
感染経路としては、①食べ物や水分を介する②ヒトからヒトへ接触感染③動物から感染
が考えられます。

ストレスによる腹痛や急にくる下痢が出たらどうすれば良いの?

症状がある場合は、絶対に放置せず必ず消化器内科を受診しましょう。自分で判断し、様子をみるのは大変危険です!!
これらの症状は、胃や腸などのおなかに問題があるときに出現しやすい症状ですが、それ以外にも様々な全身の病気で出現する症状です。このため、必ずしも胃や腸などのお腹が原因とは限りません。基礎疾患の悪化や内服中のお薬の副作用による症状の可能性もあります。基礎疾患に関しては、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
基礎疾患の悪化や薬の副作用でない場合は、大腸がんや炎症性腸疾患などの消化器疾患が隠れている場合もあります。その場合は、まずはおなかに病気が隠れていないかを消化器内科を受診して調べてもらいましょう。
おなかに原因がない場合は、他の疾患の可能性も考えましょう。特に食事が食べられないぐらい症状がひどい場合や痛みや発熱などの他の症状を伴う場合は、早急に病院を受診しましょう。

当クリニックの内視鏡検査の特徴

症状の原因が特定できれば、治療が可能ですが、胃や腸に症状の原因がないかを診断する為には、内視鏡検査などでの原因検索が必要です。
当院では、「苦しさと痛みに配慮した胃大腸内視鏡検査」を患者様に提供することを第一に考え、皆様からら検査後に「思った以上に楽だった」と思っていただける内視鏡検査を実践しています。当院の内視鏡専門医は、臓器のポイント毎にどのような内視鏡操作を行えば苦しさと痛みに配慮した検査になるのかを熟知しております。これまで培ってきた内視鏡技術の経験を十分に活かし、検査を行っています。安心してお任せください。
また、最新の機器を使用し、その知識と技術を駆使して正確な内視鏡診断を行っています。皆様が消化管がんにかかり健康を損ねることがないよう最大限のサポートが出来るよう日々努力しております。まずはお気軽にご相談ください。

ストレスによる腹痛や急にくる下痢があり、悩んでいる方へ

自己判断や放置は禁物です! まずは原因特定のために消化器内科を受診し、診察の上、必要な検査を受けましょう。
ストレスによる腹痛や急にくる下痢がみられる病気は非常にたくさんあります。
基礎疾患がある方は、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて胃や腸などのおなかの検査も行いましょう。
自己判断や放置はせず、特に食事が食べられないぐらい症状がひどい場合や痛みや発熱などの他の症状を伴う場合は、早急に病院を受診しましょう。