内視鏡医師の知識シリーズ
ENDOSCOPIST DOCTOR'S KNOWLEDGE SERIES

逆流性食道炎の生活習慣で気を付けたい6つのこと

逆流性食道炎の症状で悩んでいる方は、「症状を軽減するために、生活習慣で気を付けることを知りたい」と思っている方が多いようです。食後に症状が悪化することが多いため、食事そのものに抵抗や苦痛を感じている方も少なくありません。

今回は、逆流性食道炎の症状がある場合に生活習慣で気を付けたい6つのことを解説します。

1. 食生活の見直しが大事

和食
逆流性食道炎の治療には、食事療法・理学療法・薬物療法の3つの治療があります。患者さんの症状により、この中から治療法を選択しますが、一番最初に行われることが多いのが食事療法です。

逆流性食道炎の症状が出やすいのは、やはり食後です。そのため食生活を見直すことで、食後に悪化する症状を抑えることが期待できます。

以前の指導内容では、辛いものや酸っぱいもの、しょっぱいものなどの刺激物を避ける方法が中心でしたが、刺激物を避けるよりも逆流の症状を抑える方法がわかってきました。

逆流性食道炎の症状が食後に多い理由は、食後の胃の働きを知ると理解しやすくなります。

1-1. 食後の胃の動きとは?

食物が口から食道を通り胃に運ばれると、胃の入り口である噴門部の周りにある下部食道括約筋が緩むことで噴門部が開きます。

胃は筋肉でできた臓器で空腹時は平らですが、食物が口に入ると胃壁が伸びて袋状に膨らみます。胃は1.5L程度の食物をためておくことができ、胃の入口である噴門と出口の幽門で、胃の中にある食物の量を感知する働きをもっています。

噴門は食物が入ると閉じ、食道に逆流しないような働きを持っています。なんらかの原因で噴門が緩むと、胃液が食道まで流れ逆流性食道炎の症状が生じてしまいます。

胃は、胃の筋肉の蠕動(ぜんどう)運動によって、胃液と食物が混ぜられ、その後十二指腸へ送られます。十二指腸へ送る量は、出口である幽門部で調節されています。

一般的には、胃の中にため込める1.5Lを超えなければ、逆流は起きないといわれています。

しかし、逆流性食道炎ではない場合でも、食べ過ぎ・刺激物の摂取・早食いなどにより、下部食道括約筋が緩み逆流する恐れがあります。
すでに逆流性食道炎の症状がある場合は、食生活はもちろん生活習慣の見直しで、症状が改善することがあります。

2. 逆流性食道炎を軽減させるための生活習慣とは

食べる女性
逆流性食道炎の症状がある場合には、食事の取り方や生活習慣の見直しが大切です。これから紹介する6つのことで、一つでも改善できるものがあれば生活に取り入れましょう。

・食べ過ぎない 
・規則正しい時間に食事をとる
・早食いを避ける
・寝る直前に食事をしない
・食後の入浴は控える
・タンパク質や脂肪分をとり過ぎない

では、具体的にどのようなことに気を付ければいいのか、一つひとつ解説していきます。

2-1. 食べ過ぎない

大人の胃は1.5L程度の食物をためられるといわれていますが、それ以上の量が胃に入ってしまうことで、噴門が緩み胃から食道へ消化物が逆流しやすくなります。

胃に入った食物は積み重なり蓄積された上に、分泌された胃酸で蓋をします。食べ過ぎて胃の入口付近まで食物が蓄積されれば、胃酸の蓋は食道と胃の境目に近くなるということです。

また消化する食物の量が増えれば、胃も多くの胃酸を分泌することになり負担がかかります。逆流が起きないようにするためには、腹八分目がベストです。

腹八分目の目安は、「もう少し食べたいな」と感じるあたりです。「もう、食べ切れない」が十二分目、「おなかが苦しい」という状態が満腹(十分目)の状態です。

毎日、十二分目や十分目でおなかいっぱいに食事をしていた方にとって、腹八分目で食事を止めるのは辛いかもしれません。また、腹八分目を意識しすぎて、我慢することがストレスになってしまうと逆効果です。

一気に八分目の量にするのではなく、少しずつ減らしましょう。はじめは普段よりも一箸減らす、茶碗に盛る量をいつもより減らすなど、工夫しながら最終的に八分目の量をキープできるようにしましょう。

2-2. 規則正しい時間に食事をとる

食事する時間をなるべく同じにすることで、胃の負担を減らし、逆流の症状も軽減できます。

規則正しく同じ時間に食事をとっていると、次に食べ物が入ってくる前に胃が消化の準備をするようになります。そのため消化がスムーズに行われ、胃の負担軽減につながるのです。

逆に、日によって食事する時間がバラバラだったり、時間がないからと食事を抜いてしまうような生活をしていると、胃が胃酸を出せなくなってしまいます。胃酸がうまく出なくなると、消化もスムーズに行えなくなるため逆流するリスクも高いです。

2-3. 早食いを避ける

早食いは、食べ物をしっかり噛み砕くことなく飲み込んでしまうため、消化する負担が大きくなります。胃酸を多く分泌することも胃の負担になり、消化に時間がかかるのも負担になります。
消化物がとどまる時間が長くなると、胃酸は出続け逆流するリスクも高くなります。

食事は短くとも30分の時間を取り、一口で30回噛むことを意識すると胃の消化もスムーズに行えるようになります。口の中で、食物を噛み砕くことで唾液によって口内で消化しやすい形になるためです。また、時間をかけて食事をすると、ゆっくり胃の中に食物が運ばれることになり、少しずつ消化できるため胃の負担も軽減します。

2-4. 寝る直前に食事をしない

食事をしてすぐに横になると、胃の中で消化されていない食物が、重力の関係で胃の入口である噴門に近いところに留まることになります。

胃の中のものを消化するのには、おおよそ4時間かかるといわれていますので、夕食は就寝の3~4時間前で済ませておくことが大切です。

ただ、どうしても夕食後すぐに就寝しなければならない場合は、胃の消化を軽減するバナナやリンゴなどを少量口にする程度に抑えましょう。フルーツは比較的消化時間が短いためおすすめです。

また、就寝時に枕を高くして眠ることで逆流しにくくなります。

2-5. 食後の入浴は控える

食事をした直後に風呂に入ると消化が悪くなり、胃の中に食べ物が留まってしまうため胃酸が多く分泌されてしまいます。

食後の入浴によって消化が悪くなるのは、入浴することで全身に血液が行き渡り、本来胃や腸を動かすために必要な血液が分散してしまうためです。血液が分散して、胃に血液が流れにくくなると胃のぜんどう運動が鈍くなります。

逆流性食道炎の症状がない場合でも、食後すぐの入浴によって消化不良を起こすこともあるのです。

消化不良や逆流を防ぐためにも食後に入浴する習慣がある場合は、1時間以上あけるようにしましょう。

2-6. タンパク質や脂肪分をとり過ぎない

胃は、タンパク質を消化するのがメインの働きです。そのためタンパク質を多く摂取すると、それだけ胃酸が多く分泌されます。

ダイエットの中には、糖質を制限してその代わりにタンパク質を多くとるという方法がありますが、タンパク質をとり過ぎることで胃は胃酸を多く分泌し、逆流するリスクが高くなりますので注意が必要です。

また、タンパク質と脂肪分は、消化するのに多くの胃酸と時間を必要とする栄養素の一つです。逆流性食道炎の症状がある場合は、タンパク質や脂肪分を減らし、バランスの良い食事を心掛けましょう。

3. まとめ

食事をする男女
逆流性食道炎の生活習慣で気を付けたいことを理解すると、胃の消化をスムーズに行える食生活や生活習慣が大切だということがわかります。

胃酸が多く分泌されることや、消化がスムーズに行われず食物が胃の中に留まる時間が長くなることが、逆流性食道炎の症状の悪化につながるのです。普段の食事内容も、刺激物を避けるなどの工夫も大切ですが、食後の過ごし方や食事の仕方も見直すようにしましょう。

逆流性食道炎の症状は、食生活や生活習慣に気を付ければ改善できます。無理のないところから少しずつ実践することがおすすめです。

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